結論 ページ32
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俺の呟いた言葉に、二人は何も言わない。
ただ、優しい顔して微笑むだけ。
宮舘「そこから先の結論は、翔太自身で出すべきだと思うよ。」
深澤「そーね。ま、Aちゃんが誰かのものになってもいいのか？ってさ、自分の胸に手あてて聞いてみたら？」
ふっかはそう言って満足そうに笑って「さて！明日も早いし今日はこれでお開きとしますかぁー」なんて言って店員に会計の声をかける。
渡辺「……」
二人に相談したはずなのに、二人とも確信的なことは何も言ってはくれず、結局飲み会はお開きになった。
渡辺「結論は、俺自身で出す、か…」
俺は１人タクシーの中で、さっきの涼太の言葉を反芻する。
窓の外を流れる夜景は、ただ見ているだけなら綺麗なのに、その世界に入りたいと思ったらそう簡単ではない。
恋愛も同じ。
好きだと思う前は綺麗で憧れるくらいなのに、いざ直面するとそう簡単には行かなくて、思うように行かないことの連続だ。
渡辺「好き、とか、……そんなの今更すぎるだろ」
ほんとに、今更すぎる。
高校時代から、あの無性にイライラしたり、安堵したり、ソワソワしていたものの正体が、好きという感情なんて。
そりゃあ、好きだったからだと思えば辻褄の合うことは多いけど……。
てか、まず、そんなことにこの何年間も気づかないなんて、どんなだよ……。
「好き」は、言うより言われる方が優位に立てて良いと思ってきた。
だから、今まで付き合ってきた人たちは、皆向こうから好きだと言ってきた人たちで。
それなりに楽しく、それなりに面倒くさく、まあそこそこの恋愛をしてきたと思う。
……正直、Aと恋愛をする、なんて想像もつかない。
そりゃあ、顔は美人だし、スタイルだっていいし？
タイプかタイプじゃないかで言われれば、全然タイプではあるけど……
あいつが、俺を好きになるとか想像もつかない。
あいつが関心を寄せるのはいつも本ばっかりで。
今でこそ俺のファンになってくれたらしいけど、でもあくまでファンとして。
渡辺「どーせ、男としてなんて見てねーんだろうし……」
そう呟いた自分の言葉にハッとする。
じゃあ俺はあいつを一人の女として見てたってこと？
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たぬ(プロフ) - まいさん» 最後までお読み頂きこちらこそありがとうございます！そして素敵な感想まで…！とってもうれしいです。また是非別の作品も読んでいただける様がんばります！ (5月15日 20時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
まい - とても読み応えがあって、一気に読み終わってしまいました…！とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (5月14日 20時) (レス) @page48 id: 1f1c71775c (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - rinaboyaさん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けてすごくうれしいです。更新頑張りますので引き続き読んでいただけたら幸いです。 (2022年6月3日 18時) (レス) @page9 id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - とても見ててドキドキします！！このふたりがこれからどうなるのか楽しみです！！ (2022年6月1日 19時) (レス) @page8 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年5月30日 22時
