再会 ページ1
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「今回の現場で皆さんのヘアメイクを担当します、結城Aです。よろしくお願いします。」
とある大手企業のCM撮影現場で、俺ら9人の前でそう挨拶したのは一人の女。
艶のある栗色のショートヘアに、アッシュブラウンの大きな瞳。
日焼けしたらすぐ赤くなりそうな白い肌に、触ったら折れてしまいそうなほど華奢なその女は、俺らに向かってニコリと笑ってそう自己紹介をした。
―――ゴドンッ。
瞬間、手に持っていたペットボトルが、大きな音を立てて床に落ちた。
変わっていない所もあるけど、変わっている所も多い。
それなのに、何故こんなに自信を持って間違いないと思うんだろう？
それよりも、
なんで？
なんでここに、いんの？
阿部「ちょ、翔太？大丈夫？」
阿部ちゃんの、俺を心配している声に、返す余裕はない。
落としたペットボトルの蓋がしまっていてよかった、なんて冷静に考えている場合じゃない。
今、目の前にいる、この女は
高校時代の同級生であり、
俺の人生で出会った人物の中で、いや、世界で一番ムカつく女と言っても過言ではない。
高校卒業してからずっと会うことはなかったのに、まさかヘアメイク担当として再会するなんて、誰が予測できる？
「渡辺、くん……？」
ペットボトルが落ちた音に反応して俺の方を向いたそいつは、俺のことを見るとビックリしたような顔でその大きな瞳をますます大きくする。
その、すっかり忘れてた奴を今思い出した、みたいな反応が、さらに俺をイライラさせた。
渡辺「あー、……久しぶり？」
でも俺も大人だし。
これから仕事で関わっていくやつだから。
挨拶を返さないなんて子供っぽい真似できない、よな。
なんて自分に言い聞かせてAに向き合えば、心做しか嬉しそうにした気がして、なんか胸がざわざわしたり、……しなかったり。
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たぬ(プロフ) - まいさん» 最後までお読み頂きこちらこそありがとうございます！そして素敵な感想まで…！とってもうれしいです。また是非別の作品も読んでいただける様がんばります！ (5月15日 20時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
まい - とても読み応えがあって、一気に読み終わってしまいました…！とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (5月14日 20時) (レス) @page48 id: 1f1c71775c (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - rinaboyaさん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けてすごくうれしいです。更新頑張りますので引き続き読んでいただけたら幸いです。 (2022年6月3日 18時) (レス) @page9 id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - とても見ててドキドキします！！このふたりがこれからどうなるのか楽しみです！！ (2022年6月1日 19時) (レス) @page8 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年5月30日 22時
