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「……コネさん」
確かに、一人での食事と誰かとの食事は意味合いが変わってくる。
一人だと楽しみってよりも義務感で食べてるみたいなところあるよね。
つまりそういう話か。
「ちゃうわ、って、そういう意味だったの？」
かれこれ数十分間ずっと、私がいなくて寂しかったって話をしてた、ってこと？
わかりにくい。はっきり寂しかったって言えばいいのに。
いやでも、コネさんが寂しいとか言うの想像できない。
水を取りに行こうにも、腕を掴まれているので身動きが取れない。
離れようとするとコネさん力入れるじゃん。別に逃げ出すわけでもないのに。
コネさんの表情を伺うと、徐々に意識が覚醒してきた様子だった。おはよう。
「コネさんさ、私と暮らすの楽しい？」
「急になんやねん」
「言って」
返答次第では、さっきまでのもやもやとか、全部収まるから。
「前はな、誰かと住むとか想像できなかったんだけどね。ほんま不思議やで」
コネさんは、いつもの大笑いじゃなくて、静かに微笑んだ。
「今お前おらんかったら一人で暮らせる自信ないね」
「そういえばさっき、雇ったるわとか言ってたけど。私コネさんのお手伝いさんじゃないからね」
「わかっとるで」
「お金じゃなくて愛情で繋ぎ止めてください」
「愛情かぁ……」
しみじみ呟いたコネさんは、顔を上げた。
「楽しいわ」
質問の返事がようやく返ってくる。
「ならよかった」
さっきのは、はっきり愛だのなんだのは言わない、コネさんなりの愛情表現だったわけだ。
「お前も楽しいやろ。……え、違うんか？待って？せや！俺と住むのやめるとか言ったのあれ本気とちゃうやろな！？」
言い切ったくせに不安になるじゃん。眉間に皺を寄せるコネさんが面白くて、思わず笑ってしまう。
「安心してコネさん、私コネさんのこと大好きだからさ」
はりきって尽くしちゃうくらいにはね！
「いや、っていうかこれ！なんの話やねん！」
ほら、すぐ照れる。
そんなところも好きだなって思う。
一緒に住んでるとお互いの嫌なところも新発見しちゃうけどさ。
あぁこういうところ好きだな、って思う瞬間もたくさんあるんだよね。
何の話って、
「同棲ええもんやな、って話！」
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