【wrwrd】君と同棲企画 (ページ23)

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Case9.Shaと同棲。ページ23

『ただいまー』

「おかえり！！！」

仕事終わりに疲れて玄関を開ければ、尻尾をブンブンさせ耳をパタパタさせているように"見える"彼氏がいた。

「なぁなぁ！俺な！！今日も頑張ったんやで！！」

私の手を引っ張ってリビングに近付いて行く彼に溜息をつきながらついて行けば、鼻腔を掠める美味しそうな匂い。
開かれた扉の前には私の好物がズラリと机の上に並べられていた。

『…え、今日なんかあったっけ？』

「今日は会社の繁忙期が終わった頃やろ？最近残業続きで疲れてるだろうからって俺頑張ってAの好きなもんいっぱい作ったんやで！！」

やから褒めて！！と言わんばかりにキラキラとした目をこちらに向けてくる。
よく頑張ったねの意を込めて頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細め手にすり寄ってきた。
しばらくそのまま撫でていると、はっとした表情になりキッチンに消えていく。
するとご飯をよそった茶碗を2つ持って戻ってきた彼は、はよ食べようや！冷めてまうで！！と言って席に着いたので、私も席に着き2人で両手を合わせる。

「いただきます」

『いただきます』

いつもシャオロンが作るご飯は美味しい。
正直、私が作るよりも美味しい…。悔しいけど。ほんっとに悔しいけど！！
でも、シャオロンが作ったご飯を2人でこうやって食べるのがとても癒される時間だ。
今日あった出来事をお互いに話しながら食べていると一日の疲れが取れるような気がする。

食べ終わった後に食器を洗うのは私の役目で、彼は私の隣で鼻歌を歌いながら洗いあがった食器を拭いていく。
お風呂などを全て済ませてリビングに戻り、ソファーに背を預けて携帯をいじっている彼に話しかける。

『明日は何時に家出るの？』

「んー、明日は10時頃に出ればええかなって感じやな」

『そっか。』

携帯から目を離さずに答えながら動く彼の指は私から見ても早いと思う。
私は少し考えた後に、今度の休み遊び行こっかと伝えると、すごい勢いでこちらに顔を向けた。
あまりの勢いに私が驚いていると、ほんま！？ええん！？とソファーから身を乗り出して聞いてくるので狼狽えながらも頷くと、よっしゃー！なんて言いながら私の周りをぐるぐると回る姿は本当に犬のようだった。