【wrwrd】君と同棲企画 (ページ2)

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『う、けほっ…うぅ…』

喉が張り付いているようだが、水を飲む気にもなれない。そんな時、がちゃりと玄関が開く音がして、

「A！大丈夫か！」

と、グルッペンが深紅の瞳を揺らし、心底心配そうにベッドへと近づいてきた。

『あ、う、グルッペン…』

「大丈夫…じゃなさそうだな。喉がガラガラじゃないか…薬は？」

『まだ…のむきになれないの…からだ…おも…くて…』

力が入らず持とうとしたペットボトルを落としながら辛そうに言うAに、グルッペンは何を思ったのか薬と水を取り出す。

『グルッペン…？』

「俺が飲ませる。少々強引だが仕方ないな。Aにも無理はさせたくない。」

そしてそれらを口に含むとそのまま口付けた。

『！んっ…』

Aはびっくりしたものの水と共に薬が流れ込んだのを理解して、それを素直にゴクリと飲み込んだ。

「ん、いい子だ。あとは俺に任せろ。」

そう言ってにかっと笑うのを見てAはとてつもない安堵感に包まれ、静かに眠りへと落ちて行ったのだった。

………

翌日──

『治ったぁ！』

「うん、熱も下がったな。本当にただの風邪だったようだ。だがまだ寝てろよ。」

熱が下がったと聞くや否や起き上がって動こうとするAをベッドに戻しグルッペンは言う。

『むー…』

「そうむくれるな。俺もそばに居る。安心しろ。」

朝の分の薬を片付けながらグルッペンはAに向かって微笑む。

『…ごめんね。私の不摂生のせいで仕事が…』

少し落ち込み、ベッドに潜り込むA。それを見たグルッペンは今更なんだと言わんばかりにAの頭を撫でた。

「お前のためならいくらでも休むさ。将来ずっと一緒にいる人のためならば。」

『…今、なんて？』

「…あー…すまん、忘れろ。」

『忘れられないでしょ。だって、将来ずっと一緒に…って…』

2人の間に束の間の沈黙が流れ、グルッペンはらしくもなく顔を少し赤く染めると、

「…いつか、な。」

と、軽く額にキスを落とし、半ば飛び出すように寝室を出ていった。Aはと言うと言われた言葉にぽかんとしながら次第に己も顔を赤くして、

『～っ！なにそれ…いつもそんな顔しないのに…期待しちゃうよ…』

もしかしたら近いうちに、自分が密かに期待してしまったことがあるかもしれないと、Aはベッドに潜り込んで悶えることとなるのだった。