来世でもきっと ページ39
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Aのことを世界で一番大好きだし、愛してるつもりだった。
けど、Aが頷いてくれて関係を変えたあの日から、今までの気持ちが薄っぺらかったように思えるほど気持ちが加速していて、言葉とか形に収まらないくらい、すごく強く思ってる。
なんていうか、すごく好き。めっちゃ好き。無理。愛してる。
って言うのを、Aに毎日毎秒伝えようとしてるんだけど、俺の好きが加速するにつれてAは逆に冷静になってる気がする。
おかしい。
今も、俺はお皿を洗ってくれているAに後ろからべったりくっついてる。
もうなんかAの一挙手一投足全部が可愛くて、ずっと胸がドキドキしてて、一生分の恋をしてる気がする。
あ、今馬鹿にしたでしょ、俺はマジだから。
このつむじも、頸も、流れる髪の毛も、細い腰も、スポンジ持ってる指先も、そろそろ邪魔って言い出しそうな尖ってる唇とか超可愛い。
マジで可愛い。
「…ほくちゃん、ちょっと邪魔かも」
「はあ、かわいい」
「あれ、私の言葉届いてる?」
「なんでそんな可愛いの?俺もうこれ以上はやく心臓動かない」
「あー、救急車呼ぶ?」
「Aと離れたくないから、むり」
ぐりぐりと小さい背中に頭を押し付けてアピールすると、洗えないから!と苦情が入る。
声も好きなんだよなあ、何でもいいから一生喋ってて欲しい。
このたった45kgほどしかないだろう生物を毎日余すことなく、一寸の漏れもなく味わいたいのにそれすらも難しい。
はあ、どうしたらいいんだろう。
これ以上Aの何を知って、どうしたら、もっと満たされるんだろう。
始終心臓はバクバク動いてるし、幸せな気持ちで溶けそうなくらい体の内側からぽかぽかしてる。
ぴったりと埋め尽くされてるはずなのに、同時に隙間風がずっと吹いているような感覚が拭えない。
原因は不明なんだけど。
あ、そうか。
「A、一緒にお風呂入ろ」
「入りません!!」
「なんで!!」
「いや、逆になんで急に!?」
「だって、Aの全部が欲しいんだもん」
「…そういうのどこで覚えてくるの?少女漫画?」
「本気でいってんの!ちゃんと目見て、俺超本気」
「顔がいいことしかわからん」
「え?今俺のことかっこいいって言った?世界で一番好き?」
「ほくちゃんって、やっぱり人の話聞いてないよね」
呆れたようなAの声に、思わず眉根を寄せる。
そんなことないし、俺Aの話は全部しっかり聞いてるし、全部覚えてる自信ある。
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も。(プロフ) - usaさん» コメントありがとうございます!この一番もどかしい時間を楽しみながらのんびり進めていけたらと思います。更新ペースも早い方ではないですがまた覗いて頂けたらと思います(T_T)ありがとうございました! (2020年7月21日 13時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - 今回の更新もとっても面白かったです。早くほくちゃんとくっついて欲しいような、付かず離れずのもどかしい距離が楽しいような…!今後の展開も楽しみにしていますのでご自身のペースで無理せず更新がんばってくださいね。引き続き楽しみにしております! (2020年7月20日 22時) (レス) id: c80ccd6f24 (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - 飴さん» ご意見ありがとうございます^ ^長文かつストーリーが遅いことは明記させて頂いており、また趣味かつ自己満足の作品ですので読んで頂くことを強制しておりません。合わないと思いましたら読むことを辞めて頂いて構いませんよ。お時間を割いて頂きありがとうございます。 (2020年7月18日 15時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 何度も続けてのコメントですみません。 長々と失礼なコメントで失礼致しました。 それでは...。 (2020年7月17日 19時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - またまた続けてのコメントですみません...。 そして台詞の行間隔あけたほうが良いと思い ました。 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年7月17日 19時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も。 | 作成日時:2020年4月25日 23時