どうせなら、同棲でも。【Hokuto.y】

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「あの、昨日のことは…」
「うん。Aは俺のこと好きなんだよね？」
「ずっ、ずるいそれ！」
「俺もずっと前からAのこと好き」
「ううう」
「ってことは俺たち付き合うんだよね？」
「えっ！？」
「は？」
「あー、いやそれはすぐに返事できないわ…」
「はあ？！」


Aが寝ぼけ眼のうちに言質を取ってやろうと攻めるけど、急に冷静に告げられた言葉は、全くもって想像もしていなかった。
勿論納得なんてできるわけもなかった。

いや何言ってんの？マジで意味が分からない。


「はあ？なんで。意味わかんない」
「いや、色々問題あるでしょ」
「問題って何」
「私一般人、ほくちゃん芸能人！そんな簡単には、」
「付き合えるでしょ。俺の家に住んでるのに今更それは関係なくない？」
「うっ、それ、はそうだけど…」
「はい、じゃあ決まりね」
「いやでも期間限定でしょ！仕事始まったらここは出るわけだし…」
「じゃあそれはその時に考える」
「…完全に投げ出したよね」
「だって好きなのに付き合えない方が意味わかんないじゃん！！」
「そう言われても、ねえ？」
「そんなの絶対許さないから。付き合うって言うまでここから出さない」


繋がった指先をそのままに、今度はAの身体ごと力を入れて抱き締めると、怒ったような口調であからさまに慌ててる。

けど、覗く耳はほんのり赤い。
そんなことしたって可愛いだけだし。
つかそれ完全に俺のこと好きな反応じゃん！Aだってその気なんだし別にいいじゃん！


「まってわかった！わかったから離れて！」
「なんで。付き合ってるのに離れる必要ない」
「だからあ！それ保留だってば！」
「やだ！！Aが付き合うって言わなきゃずっと今日このままだから！トイレもご飯もお風呂も俺が面倒みる！！」
「いや何を言ってんの！？わかった、わかったから一旦離して！」
「付き合う！？」
「わかったわかった！」
「付き合うってちゃんと言って！！」
「ハイハイ付き合うから！」


その言葉をしっかり聞いてから離れると、はあはあと息を荒げるAは耳まで真っ赤になっていて可愛い。
…何でそんな可愛いことすんの？無理なんだけど。
俺の服着てはあはあ言ってんのも本当にやめて欲しい。
俺ちゃんとそういうの順序守りたいもん。


「じゃ、よろしくね！彼女」
「…うん」
「もっと嬉しそうにしてくんない！！」
「色々要相談だからね！彼氏！」
「はあ〜いA可愛い」
「ちょ、だから離れてってば！」



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