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「…次、Aだよ」
「え、私もやるの?」
「あたりまえじゃん」
「何か機嫌わるいし…」
「いーからいいなよ」
「えー…あ、そうだ。聞きそびれたんだけど、彼女とかいないの?」
「は?いるわけないじゃんバカなの?」
「え!?急にひどくない?」
「Aがバカだからでしょ、いたらAとなんて一緒にいない!」
「だよね、良かった。なんか来といてアレだけどそういう人がいたらどうしようって思ってて、ずっとそのままになっちゃっててさあ」
「…Aのバカ」
「はい?」
それから俺はAの好みの男のタイプを聞き出して(ことごとく俺とは真逆な感じだったのが、すごくムカつく。インスタの男のこと思い出しちゃったし)、Aからは世間話みたいな質問ばっかりされた。
これと言った手応えがないまま気付けば0時まで残り、2分になっていた。
多分、これが最後になるだろうな。
「じゃ、これ最後ね」
「はーい、やっとか」
「…ふう」
「え?」
「心の準備!」
「なにそれ」
他人事みたいに笑われたけど、そんな顔してられるのも今の内だ。
俺はそもそも、Aに少しでも近付きたくてやってるんだから。何も成果がないまま終わるわけにはいかない。
「Aはさ、」
「うん」
「俺のことを、恋愛対象として見れますか?」
「…あー、その、ほくちゃんはさ」
「芸能人だからとか一般人だからとかそういうのはいらないから。ちゃんと見て、俺のこと。それで言って」
布団の中で握っていたAの手を一際強く握る。
祈るように、願うように。
ただ、それを握り返してくれはしなかった。
時折合っていた視線は、完全に他所に向いていて、また背中を向けられてしまう。
ちゃんと聞かないとダメだ、ここで逃げられたら俺はずっとこのままな気がする。
仲良くなる為だけに俺は同棲を始めたんじゃない、Aと、もっと、ちゃんと向き合いたい。
「ほくちゃんはすんごいイケメンだし、家事もできるし、ちょっと抜けてたり変なところはあるけど許せちゃうようななんか訳わかんない魅力があると思う、ます」
「うん、で?」
「…こんな人が近くにいたら好きになる人は多いですよね」
「Aは?どっち?」
「私なんかが答えるのも…」
「俺はAに聞いてる」
「う、じゃあ、強いていえば」
「言えば?」
「…すき」
消え入りそうな小さな声、背けられた顔、隙間から覗く真っ赤に染まった耳は、俺の気のせいじゃないはず。
ん……?ていうか、すき……?
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も。(プロフ) - usaさん» コメントありがとうございます!この一番もどかしい時間を楽しみながらのんびり進めていけたらと思います。更新ペースも早い方ではないですがまた覗いて頂けたらと思います(T_T)ありがとうございました! (2020年7月21日 13時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - 今回の更新もとっても面白かったです。早くほくちゃんとくっついて欲しいような、付かず離れずのもどかしい距離が楽しいような…!今後の展開も楽しみにしていますのでご自身のペースで無理せず更新がんばってくださいね。引き続き楽しみにしております! (2020年7月20日 22時) (レス) id: c80ccd6f24 (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - 飴さん» ご意見ありがとうございます^ ^長文かつストーリーが遅いことは明記させて頂いており、また趣味かつ自己満足の作品ですので読んで頂くことを強制しておりません。合わないと思いましたら読むことを辞めて頂いて構いませんよ。お時間を割いて頂きありがとうございます。 (2020年7月18日 15時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 何度も続けてのコメントですみません。 長々と失礼なコメントで失礼致しました。 それでは...。 (2020年7月17日 19時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - またまた続けてのコメントですみません...。 そして台詞の行間隔あけたほうが良いと思い ました。 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年7月17日 19時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も。 | 作成日時:2020年4月25日 23時