四面楚歌 ページ41
「欝先生。」
そう声をかければどこを見ていたのか分からない焦点がカチリとこちらに止まる。
そして、半分に折られた紙を差し出す。
コ「な、なんや大先生。今日静かやな。気持ち悪いんか？」
欝先生の静かさにビビったコネシマは怪訝そうな顔をして言う。
彼はそんなことお構い無しとでも言うかのように椅子にすわる私を見つめていた。
開いて、声に出して読みあげる。
「現文70、古典77、数��71、数B89、コミュ英70、英表69、現社75、日本史74、地学67。赤点なし。……数Bが最高点…。」
私は固まりかけて彼を見る。
彼は読み上げられ力のあった目はスっと細めて口角を上げて言った。
欝「Aちゃん、俺偉いやろ？」
「…これは…やられたなぁ。能ある鷹は爪を隠すって感じはこういうことを言うんだろうね。」
他のメンバーも欝先生の得点にたいへん驚いたのだろう。兄さんが「俺大先生に負けたんやけど」と呟き、コネは「はァァあ？？？！！」とキレ気味半分で叫ぶ、それにグルさんは大爆笑と四面楚歌である。
欝「さ、ええやろ？」
「ﾊﾊｯ、これは大損害だな。」
私は深呼吸し欝先生の前に行く。
座っている彼の頭を抱きしめ頭を優しく撫でて笑う。
「お疲れさま。でもね、大先生の勉強してるの見ててね、大先生なら大丈夫だって思えたからねあんまり驚いてはないの。だけどね、“教え子”がいい点とったら“先生”は嬉しいんだぁ。だからね、ありがとう、あたしも幸せです。」
そこまで言って大先生の頭を離し、大先生の前にしゃがんで両の手をつかんだ。
「大先生は偉かった！
頑張っても無理なんてなかったっしょ？ね！
＿＿＿まだ…大先生は頑張れたよ！」
そういうと握った手がギュッと握り返されて私は嬉しくてニヒッと笑って彼を見た。
彼は綺麗なラピスラズリの宝石の瞳から、
ボトボトとダイヤモンドのような涙を落として、「…うんッ」と、
静かに頭を縦にゆっくりふって安心したようにわらった。
グ「＿A…これがお前からのご褒美ということか？」
静かになっていた空気をグルさんは低いバリトンボイスで自らの存在を示した。
私は少し照れながら、あー、うん、といった。
すると、彼は少しため息にちかい息を吐き、こちらに近づく。
グ「鬱、幸せか？」
低い声を上から落とされ、キラキラとした子供のような彼は最後の1粒で或であろう涙を落としてこういった。
今度は力強く。
はっきりと。
「＿うん。＿」
グルさんは、彼の肩を叩いて微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
D(プロフ) - ルキさん» はい！実は個人的にどっちにしようか悩んでなんか他の方々と同じ書き方するのつまらんと思ったしだいです！ご質問ありがとうございます！よりよい話になるよう精進致します！ (2019年6月20日 16時) (
レス) id: 5255f6ffa2 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ - めちゃおもろいです！欝じゃなくて鬱ですよ…！わざとそうしてるのならすいません…！ (2019年6月16日 2時) (レス) id: f38841be90 (このIDを非表示/違反報告)
晃夜(プロフ) - ハルさん» 読んでくれてありがとうございます。更新遅くてすいません。早めに投稿できるよう善処します。好きです。笑 (2018年3月6日 14時) (レス) id: 153c465e30 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 好きです 頑張ってください！ (2018年3月6日 6時) (レス) id: 9915f5d63f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねこ x他2人 | 作成日時：2017年4月15日 16時
