時透無一郎の許嫁 弐

６０　大会 ページ37

乗ってる飛行機は、かなりの人が居て、
しかも知らない人ばかりで、緊張した。




今までに何度も飛行機には乗った事があるけど、
家族が誰もいない事は、初めてだった。









遂に舞台に立つという高揚感と緊張感。









前、１１の時には、
三位決定戦で負けてしまい、メダルを逃して
しまった。









もう、あの頃の私とは違う。









紆余曲折の日々。





日々移りゆく状況に右往左往しながら、
少しずつでも進んでいった。









ーーーーーーーーーー
終わった、、、、、。






結果は、銀メダル。









前よりも成長出来ている。









でも、やはり悔しい。









インタビューもそこそこに帰国した。









迎えの車に乗って、帰宅する。









玄関の扉が、開かれる。



無「お帰り。頑張ったね、A。」









そこには、無一郎(愛しい人)が。



うん、やっと分かったの。








私、









無一郎の事、好きみたい。







ーーーーーー
出国前、空港で

し「Aなら、きっと大丈夫ですよ。」

胡「大丈夫。だって、Aだもの！」

し「姉さん！それ、理屈になって無い！」

A『ふふっ。
ありがとう、姉さん達。』



緊張していた心が緩む。

無「A。自分が倒れるくらい頑張ってた
でしょ？その頑張りが、自分を勇気づけてくれる
はずだから。僕もそうだしね。」

有「大丈夫だ。ここのところ、見てられないくらい
頑張ってたもんな。自分を信じる、で“自信”だ。」




リンクは違えど、戦っている人の言葉の重み。






うん、そうだね。

緊張してどうするんだ！



A『二人共、ありがとう。
頑張ってくるね。』







雅音の分まで、、、。




言葉には出来ないけど、、、。




有「あのな、、、ちょっと良いか？」

A『うん。２、３分なら。』





頬をほんのりピンクに染めた有一郎が、
私を誰にも声が聞こえない方に誘う。





有「こんな時で申し訳無いんだが、、、
この歌を知ってるか？

“しのぶれど 色にいでにけり わが恋は
ものや思ふと 人の問ふまで”」



その句は、百人一首に記載されている句だった。


A『うん。平兼盛さんの句。』

有「そうだ。この句意を知った時、
俺と一緒だなと思ったんだ。

その、、す、好きだ。
付き合ってくれないか？(／／／)」



ビックリしたけど、答えは出ていた。

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