ほっとけない同期【Tomohiro.K】

同期２２ ページ22

荷物をまとめて


社用車に乗り込もうとしたら




「ホンマ一人でシゲのところ行くとか

アホちゃうか？」



って後ろから声を掛けられる。





振り返ればやや呆れた顔をしたトモが



そこには立っていた。





「ちょっとは相談とかせぇ〜」




ブツブツと怒りながら運転席に座って


エンジンを掛ける。







状況がつかめず、



立ちすくんでいると窓が開き、トモが顔を出す





「行かへんの？はよ行かんと遅くなるで」






トモの言葉に頷くことしか出来なくて、



そのまま助手席に座る。





「…トモ…なんで？

…運転…私も」





プチパニックで単語しか出てこない私に



トモは畳み掛けるように話し出す





「あんなぁ、

なんでいつも一人で決めて一人でやんねん

シゲのところまでってめっちゃ遠いやん

ちょっとは頼りにして欲しいんやけど

そんなに頼りない？」








怒られてるのに、



なんか心配してくれてるのが伝わって



それがなんだか嬉しくって



本当は反省しなきゃいけないのに、



ついニコニコした顔になっちゃうから



両手で口元を隠す。





でも、そんな顔してるのはバレバレで


さらにほっぺたを膨らませて


不機嫌そうな顔になる





「あの〜オレ怒ってるんやけど」





トモが重たいって言っちゃうぐらい



頼りまくっちゃうから



きっと



本当に頼られたらイヤになっちゃうと思うなぁ

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