第二話 ４ ページ6
「お前たちがフォリアの生まれ変わりであるこの青茄子を守っている可能性は考えていた。
だから『保険』をかけたのさ」
「ほんと、羨ましい限りだよぉ。僕からしたら…ね」
二人は不敵に笑う。
「保険だと？
まさか呪い…！？」
モンテが気付き、顔を青ざめさせる。
「そうさ！！僕が焦がれに焦がれた呪い！
命を共有させる魔法契約だよ！」
Aが恨めしそうにフィオを見る。
置いていかれる気持ちにさせた元凶を。
「今度は逃がさないぞ。
文字通り、最期までな！」
いい笑顔で放った言葉は非常に重たいものだった。
「命を共有させる魔法だと…」
今度はモンテが顔を歪ませる。
それは、モンテに殺されないための保険だ。
だが、彼女は関係ないと羽根を広げた。
だが、それを許さないのがAだ。
「おっと、これでも僕らはフィオの命の恩人だよ？」
そして、それにフィオが同調した。
「そうですよ！！モンテ！
それに、この二人は私の大切なバディです！」
それを聞いてモンテはダメだと声を荒げる。
まぁ、魂を狙っているため仕方ない事だろう。
だが、フィオはターフェのてをとり、受けて立つことを宣言する。
とんだお転婆お姫様である。
だが、触れるのは辞めて欲しいとターフェはAのことを見て、切実に願うのであった。
「話は聞かせて貰いましたよ」
その声と同時に一人の男が現れる。
「やぁ、お久しぶりですね。
クソ外道魔導師ターフェアイト。
全く、妻がいるのですから私の娘に執着するのは辞めて下さい」
泣き真似をするアンブリゴ・フォスフォール。
「おまっ…そもそもだな！
お前の娘が私の力を奪って自害をしたせいで…」
その先は言えなかった。
Aの瞳がさらに暗くなったためだ。
「はーいはい。
そういう話は場所を変えましょう」
場所を移動し、ターフェはアンと話を始める。
そんな中、フィオはAに問いかける。
「あの、Aはターフェのお嫁さんなんですか？」
Aはニッコリと笑い答える。
「うん。僕はターフェが大好きだからねぇ」
伝説の中にも、Aの名前は出ていた。
かのターフェアイトが唯一愛した女性魔導師。
性格が悪いからか、悪さにしか魔法を使わないという話だ。
「その、Aはターフェに、愛されてるんですか？」
フィオがそれを聞いたのは、伝説内のターフェアイトがそういう部分を見せなかったからだろう。
だがAは知っている。
彼が案外優しく微笑むのを。
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作者名：紅華 | 作成日時：2022年4月7日 19時
