23話 ページ28
翌日、朝早くからランニングをしていると、自転車に乗った外国人とそれの後ろをついていくように走る二人の青年の姿が見えた。一人は勇利で間違いないと確信した。自転車に乗っているのはヴィクトルかな?もう一人は、金髪?
「あ、Aじゃん!」
「あ、本当だ」
ヴィクトルと勇利が僕に反応すると、もう一人の金髪の少年が、僕に気が付いたようで驚愕したような表情を浮かべている。なぜ、ここにいるんだ……という目線を送って。
『あ、ユーリ。初めて会うね』
「初めて会うね、じゃねーよ!!ちゃんとメールしたじゃねーか!!!」
『ごめんね、別の選手の子に会ってたからパソコン見る暇もなくて』
「え、なになに!?ユリオとAって知り合いだったの!?なんで俺に教えてくれなかったのー?」
ヴィクトルが自転車を降りて僕とユーリのところへやってくる。ここ歩道なんだけど……。
「チッ……別にいいじゃねぇか!それより豚ァ!!お前走るの遅ぇんだよ!!本当に日本代表選手かよ、くだらねぇ」
『ネットで見るより、本物のほうが口悪いんだねぇ』
「なっ!」
ユーリの眉間にまた一つ、皺が増えた。その様子をみた勇利とヴィクトルは顔を合わせてキョトンとした表情を浮かべていた。
「えっと、A、ユリオといつから知り合いなの?」
『ユリオ?え、ユーリ、ユリオっていうあだ名付けられたの??』
「おい、お前もユリオって言ったら金輪際口きかねぇからな!!」
『わかったよ、ユーリ』
「え、何?俺また無視されてんの?」
「ちょっとヴィクトル、黙ってて」
勇利は僕がいない間に少しだけ強くなったようだ。ヴィクトルは相変わらず執拗い。ユーリは初めて顔を合わせてみたけれど、年相応って感じがして可愛い。
本音を言ったらヤバそうだけど……。
「で、お前はどこに住んでんだよ」
『僕は一人暮らしだよ。勇利のとこでたまーにお仕事してるけれど、実際はなんだろね』
「意外と曖昧なんだな」
『仕方ないよ、僕はこう見えても沢山のことを仕事にしているからね』
「この前、滑ってなかった?」
ヴィクトルが唐突に切り出す。その映像は勇利とともにとある動画サイトに投稿されていたもので、今はもう再生は不可能だと思うのだけれど、ヴィクトルはそれをとあるルーツで保存していたらしい。
「え、滑ってたのかよ、大丈夫なのか?」
『うん、大丈夫』
ユーリは、僕の過去を知っている。
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オブジェ(元はるかわ)(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2017年3月21日 0時) (レス) id: 58695a87c5 (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - マリンさん» ありがとうございます!少しわかりにくい文章があったりしてすみません……。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: 0baf07c6ee (このIDを非表示/違反報告)
マリン - とっても面白いです〜〜続き楽しみにしてます!! (2017年1月22日 17時) (レス) id: 78f600e7bb (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - 進さん» ご指摘ありがとうございます!すみませんでした。 (2017年1月5日 15時) (レス) id: 6c38952fe1 (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - 鯨さん» ご指摘ありがとうございます! (2017年1月5日 15時) (レス) id: 6c38952fe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:道化師龍維 | 作成日時:2017年1月2日 22時