【ユーリ!!!onICE】僕のそばに…【男主】 (ページ27)

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22話ページ27

ほぼ、強制的に袖をつかんでいた小さな手を離すと、僕はゆっくりとその場を後にした。その場にアクセルを残して……。

　自宅に戻った僕はパソコンに一件のメールが受信されていることに気が付いた。とあるところから発信されたもので自宅から離れていた僕にはそれは気が付かないもので、返信などしていないのは当たり前だ。

　差出人は”ユーリ”。ロシアの１５歳の友人。そういえば、アクセルが”ユーリ”のことを話していたような気がする。

『……ユーリが日本にきているのか。どうせ行先は勇利の家』

　パソコンに受信されていたメールを確認すると、流暢な英語で”日本のYURIの家に行ってヴィクトルを連れ戻すから、お前も何かあったら来てくれ”とのこと。極力あの二人と関わりたくないのが本音なのだが、ユーリがいるとなると別問題。

　まだ１５歳が国境を越えて日本にやってきたんだ。大人が道を標してあげないとどうなるかわからない。けれど、スポーツとなればあの子は一人前の選手だ。僕が口を出すより、ヴィクトルや勇利と言った本選手が教えてあげたほうがいい。

　しかし、何かあったら来てくれ。とは言われたものの、何もないわけではない。

『はぁ……』

　浅く小さくため息をつくと荷物をほどき、ベッドに倒れこむ。右手の甲を額に当てるように寝転ぶと、今日の出来事が走馬灯のように僕の頭の中に流れ込む。

　南くんに指導してアクセルに心配されてしまって、ヴィクトルが日本にやってきてからおかしい。スケートの世界から離れていたくせに知識だけが豊富な僕がまた滑ってしまったとは。

『僕には、現役などなれない。今このスケート界に必要不可欠な人物はユーリと勇利だ』

　未来予知、なのかもしれない。でも人々が驚愕するような出来事を起こせるのはこの二人だと思うだけ。

　僕ではない。

・

―――――――

　内容薄っぺらいってよく言われてしまうんですけど、大丈夫ですか？
伝わりにくいですよね。

　現役ではない主人公はヴィクトルや勇利を支えていくのは難しいということを把握してくれれば幸いです。あとで補正として何かしらの出来事を起こさせます。

　まだ恋愛に発展していなくて申し訳ないです。この唯一の登場人物であるヴィクトルや勇利を出していなくてすみません。