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2話 ページ2

勝生君からもうスケートはやらないのかと、何度も何度も言われたけれど、僕にはもう無理なのだという決意を勝生君にぶつけた。もう勝生君には追いつけないと、自分で判断したからだ。




 僕は17歳になっていた。高校にも上がったし、彼女もできたし、楽しい毎日を送っていた。だけれど、彼女とは数日間のうちに別れた。趣味が合わない。そう言われたときにはすんなり僕から身を引いた。趣味が合わないのは僕にだった自覚はあった。彼女にはスケートのことしか話していなかったからだ。「今日尊敬しているスケーターが…」「僕の親友の彼が…」なんて、彼女には迷惑だったのかもしれない。

 そんなくだらない毎日を過ごし、いつの間にかあの日がやってきた。


 僕は22歳になっていた。


「ロシアのリビングレジェント、ヴィクトル・ニキフォロフ。見事グランプリファイナル5連覇達成です!!!」


 ゆ〜とぴあかつきのテレビではそんな言葉が流れていた。久しぶりに勝生君の温泉にやってきて、足の調子を良くしようと思ってきたのだ。ちょうどテレビから聞こえてきたのは、あのヴィクトルが大会5連覇を達成したというアナウンスの声。その次に流れてきたのは、勝生君の調子を心配させるようなアナウンスの言葉だった。


「今日はいつもの滑りができていませんでしたね」


 ……いつもの滑り?そういえば、ミナコ先生から勝生君のわんこが亡くなったって聞いた覚えがある。まさか、それが原因なんじゃないか……?


『ミナコ先生、勝生くん、GPF行っていたんですね。僕知りませんでした』


「はぁー!?知らなかった!?それっ本気で言ってんの?A−」


『だって、長い間スケートから離れて、スポーツのニュースとかあまり見てないし、それに……』


「それに、何よ?」


『何でもないです』



 ”僕は関係ない”そういってしまおうかと思った。だめだ。これでは……。


『ごちそうさまでした』


 ここの名物カツ丼を食べ終わって、お盆も下げて僕はそのまま家に帰った。直行ではなく、スケートリンクに向かった。毎日とまではいかないけれど、たまに滑りたくなったときにきている程度。


『すみませーん、まだ空いてますか?』


「あ、Aくん」


『優子さん、ごめんなさいこんな時間に』


「大丈夫よ、滑ってって」


『ありがとうございます』

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設定タグ:ヴィクトル・ニキフォロフ , 勝生勇利 , ユーリ!!!onICE   
作品ジャンル:恋愛
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オブジェ(元はるかわ)(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2017年3月21日 0時) (レス) id: 58695a87c5 (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - マリンさん» ありがとうございます!少しわかりにくい文章があったりしてすみません……。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: 0baf07c6ee (このIDを非表示/違反報告)
マリン - とっても面白いです〜〜続き楽しみにしてます!! (2017年1月22日 17時) (レス) id: 78f600e7bb (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - 進さん» ご指摘ありがとうございます!すみませんでした。 (2017年1月5日 15時) (レス) id: 6c38952fe1 (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - 鯨さん» ご指摘ありがとうございます! (2017年1月5日 15時) (レス) id: 6c38952fe1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:道化師龍維 | 作成日時:2017年1月2日 22時

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