82.施設 ページ31
「あ"ーっ、けっこー食いましたねー」
「流石にチャーハン大盛りと餃子つけたのはきつかったかもなぁ」
ラーメン屋の暖簾をくぐり、ぱんぱんになった腹をさする。
猪野先輩は先輩風を吹かせるのが大好きだから、俺と一緒だとラーメンだけじゃなくいっぱい色んなものをぽんぽん頼んでしまう。
だからこうして毎回恒例のように食い過ぎた食い過ぎたと店の外で次回に繋がらない反省をする。
「微妙に時間空いてますけど、どうしましょ。
現場まで二駅くらいだし、いっそ歩きます？」
「そうだなー……っと、悪りぃ電話」
ダボダボしたズボンのポケットから震えるスマホを取り出した猪野先輩は、通話ボタンを押してそれを耳に当てた。
「お疲れ様です！明日の件…はい…はい、わかりました！じゃあ明日現地で！はい！ありがとうございます！」
やけに明るい声色で後輩オーラを振り撒く猪野先輩。
十中八九、相手は一級術師の"七海さん"だろう。
等級が違いすぎて俺は任務で一緒になったことはないが、七海さん自身、出戻り一級術師ということで有名だし、猪野先輩が聞いてもないのに七海さんについて教えてくるので一方的ではあるが七海さんについてよく知っていた。
「先輩、明日も任務なんすね。何連勤？」
電話を切った先輩にそう尋ねると、先程の溌剌とした態度から一変、「16…」と力なく呟いた。
「しかも下手したら泊まりがけ…」
「うっわ、絶対俺は無理。残業いやだし、週休2日は絶対ほしいっす」
「オマエほんとそういうとこだぞ…
まあでも、明日は都内だからまだマシだよ。
日野市の児童養護施設でちょっと辺鄙なところだけど」
「七海さんと一緒だから頑張るぞー」と拳を突き上げる猪野先輩の横で、俺は一人立ち止まって、その言葉を反芻した。
日野市の、児童養護施設。
勘違いじゃなければ、そこは──
「…先輩」
「ん？」
「その養護施設って、もしかして虹の森園？」
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花梨 - とても面白いですね！ 更新、大変だと思いますが自分のペースで頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦の作品を書いてますが良かったら作品の題名を教えますか？ (2022年6月6日 16時) (
レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
田田田(プロフ) - 雪月花さん» いつもありがとうございます。雪月花さんのコメントが届くたびに書こうという気持ちが湧きます。更新頑張ります。 (2022年2月3日 3時) (レス) id: 225ebf53bb (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 - 田田田さん» 大好きな作品なので更新されてるととても嬉しいです！作者さんのペースでいいので更新頑張ってください！！いつまでも待ってます！住吉くんの手榴弾………威力はいかに……。 (2022年1月30日 23時) (レス) @page46 id: dcac8e28b5 (このIDを非表示/違反報告)
田田田(プロフ) - 雪月花さん» 雪月花さん、いつも更新のたびにコメントを残してくださりありがとうございます。遅い更新なのに根気強く応援してくださってとても励みになっております。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2022年1月23日 14時) (レス) id: 225ebf53bb (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 - 面白いです！！続き待ってます！！七海さん！！マジナイス！住吉くんガンバレー！ (2022年1月19日 1時) (レス) @page44 id: dcac8e28b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：田田田 | 作成日時：2021年1月6日 20時
