68.野球 ページ18
真っ青な空に、白い雲。
審判の悟が、手を高らかに掲げて
勢いよく振り下ろす。
これから始まるのは、交流会2日目個人戦
「プレイボーッ！」
…そのはずだったのに、なぜか俺たちは野球をしていた。
ガキッ、と激しく二つの物体が衝突した音が聞こえた。
鉄バッドを振りかぶり球を打ち上げたのは、京都の三輪。
「打ち上げた！！西宮まだ走るな！！」
「え！？なんで！？」
西宮が庵さんに叱られている中、
守備側の東京校メンツはピッチャーの真希とキャッチャーの虎杖に野次や応援の声を飛ばしていた。
「打たれてんじゃねェ！もっと気張れ！！俺を甲子園に連れて行くんじゃなかったのか！？」
「A、オマエ昨日図書室でタッチ見てたろ。浅倉南が出てるぞ」
「アンタそんなに元気ならマネージャーじゃなくて選手として出なさいよ」
俺を指差しながらぶーぶーと不満を垂れる釘崎に狗巻が「おかか、おかか」とゆるくなだめると、恵が狗巻の隣から顔を覗かせた。
「住吉先輩が一番重症だったんだ。
見た目は元気そうだが、まだ完治はしていないはずだ」
「はー？こんななのに？」
「胃の穴塞がってないし脱臼した肩と片目の視力もまだ戻ってないけど、出てもいいなら出るぞ」
「病室戻れよ」
「どんだけ野球が好きなんだよ」とパンダにでしっ、と頭をはたかれた。
ここにくる前も家入さんに
「よっぽど野球が好きなんだな」なんて言われたけど別に俺は野球に興味があるとかそんなんじゃない。
はたかれた頭を押さえながら、背もたれに深くもたれかかる。
「…別に。今年はちゃんとやってもいいかなって思っただけだよ」
いつの間にバッターが替わっていたのだろうか、加茂の空振り三振をベンチから見つめる。
誰か爆笑なり揶揄うなりしてもいいところなのに、やけに静かなことに気がついて振り返ると
全員俺を見てひそひそこそこそと囁き合っていた。
「…んだよ」
「いやー、交流会の前から思ってたけどオマエって結構可愛いとこあるよな」
「ねぇわ！！殺すぞ！！」
ニヨニヨとしたパンダと狗巻が「ウリウリ〜」と頭をこねくり回そうとしてきたので、すかさず首にかけていたメガホンを投げつけた。
「お、野薔薇次バッターだぞ」
「っしゃ、東北のマー君とは私のことよ」
「東北のマー君はマー君だろ」
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花梨 - とても面白いですね！ 更新、大変だと思いますが自分のペースで頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦の作品を書いてますが良かったら作品の題名を教えますか？ (2022年6月6日 16時) (
レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
田田田(プロフ) - 雪月花さん» いつもありがとうございます。雪月花さんのコメントが届くたびに書こうという気持ちが湧きます。更新頑張ります。 (2022年2月3日 3時) (レス) id: 225ebf53bb (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 - 田田田さん» 大好きな作品なので更新されてるととても嬉しいです！作者さんのペースでいいので更新頑張ってください！！いつまでも待ってます！住吉くんの手榴弾………威力はいかに……。 (2022年1月30日 23時) (レス) @page46 id: dcac8e28b5 (このIDを非表示/違反報告)
田田田(プロフ) - 雪月花さん» 雪月花さん、いつも更新のたびにコメントを残してくださりありがとうございます。遅い更新なのに根気強く応援してくださってとても励みになっております。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2022年1月23日 14時) (レス) id: 225ebf53bb (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 - 面白いです！！続き待ってます！！七海さん！！マジナイス！住吉くんガンバレー！ (2022年1月19日 1時) (レス) @page44 id: dcac8e28b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：田田田 | 作成日時：2021年1月6日 20時
