拝 啓 、愛 す る き み へ

おかえし ページ10

『遥輝くん！！』

｢なんや｣


今日はすごい元気ええんやな。
俺が遠征でずっといなかったから暇やったんやろな。

……自分で言うけど。


『前遥輝くんからプレゼント貰ったから、私もあげるね』

｢え？なんかあるん？｣

『うん、頑張ってつくった』

｢どれどれ｣

『じゃーん！！』


Aが俺に自慢げに見せたのは、


｢熊？｣

『うん……まぁ、ちょっと失敗したけど』



たしかに耳の形が歪になっているけど、熊ってことはなんとなくわかる。
前作ってたんは、これやったんや。

可愛ええやん。


｢好きやで、俺こういうの｣

『ほんまに？めっちゃ頑張ったねん』

｢手見てたらわかるわ、それ｣

『恥ずかしいしそんな見んといて』


俺のイメージカラーのピンク。
ふと後ろ側を見ると、『7』の文字。


｢俺のやん｣

『ちょうど遥輝くんいなかったし、この期間で仕上げなって思った』

｢すごいな、ほんま｣

『もう少し器用にできてたらよかったんやけど』


俺、こっちのが好きやけど。
変に整ってるより、思いがこもってる。


｢ありがとな｣

『いえいえどーも』

｢お前やと思ってそばに置いとくわ｣

『光栄です』


可愛ええ。熊もやけど、お前もや。

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