目覚め ページ15
「A!!!」
『全く、うるさいねんな遥輝くんは』
「俺、あのLINE来たとき、ほんま────」
遠征の間、AからLINEが届いていた。
Aごめんな。心配かけて
A目、覚めたわ
「ほんまに俺、いない間にAがいなくならないかって」
『遥輝くんに何も言わんといなくなるわけないやん』
「そんなこと言うても……別れなんて、急なもんやで」
『心配せんで?』
強がってて、でも強くて。
なにも、なにもかも、弾き返して生きていけそうな声。
心配せんで?
その一言で落ち着く気がして。
いなくならないって、証明にしたいだけ?
「でも、ここから1週間札幌やし」
『そっ、か。もう終わりに近なってきたな』
「ほんまに。冷え込んできたしなぁ」
冷たい秋の風が吹いて、窓の横の気から木の葉が落ちる。
もう、9月になるんや。
ファイターズは今んとこ2位。
日本シリーズまで、いけるかな。
『なぁ、優勝してくれるんやろ?』
「当たり前やろ」
『プレゼント、してな』
「……手術、どうなりそ?」
『大丈夫やって。せめて、優勝してからがええな』
せめて、優勝してから?
来年も、勝つよ?
信じてや?
信じられない、理由があるん?
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haruki07 - とてもいいお話ですね。心理描写が綺麗です。更新頑張ってください! (2018年7月5日 16時) (レス) id: 8c35a745f8 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - 感動的な導入文に惹かれました。これからのお話の更新も楽しみにしています。 (2018年7月5日 15時) (レス) id: c78cf8c693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/yuyu_10
作成日時:2018年7月5日 10時