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そして今
ananの撮影から二週間後の今日
インスタで連絡が来てから二日
私は暇人だけど、向こうは忙しくないのか。
会うと言っても、一ヶ月後とかそんなのだと思っていたのに
まさかの二日後。
都内の高級焼肉屋さんの個室で私は彼がくるのを待っている。
予定の30分前に到着したのは秘密にしてくださいと店員さんに伝えたいくらい、
私は内心少しだけ、楽しみにしていた。
撮影でのこと、彼はどういう意図でしたのか聞きたい。
ただ撮影のためのものだったのかもしれない。
少し、触れただけだったから。
私の考えすぎなだけかもしれない。
けれど、それでも私にとっては初めてだったから。
汗が滲む手をぎゅっとスカートを握る。
緊張する。
焼肉なんて食べてられるか。
お酒いっぱい飲もうかな。
テーブルの端にあるベルを鳴らそうと、手を伸ばしたところ、個室の扉が開いた。
さっと手を膝の上に戻し、彼かと思い立ち上がると、
「失礼致します」
店員さんだった。
「本日のコースはご予約時に承っております。
苦手なものやアレルギーはございますでしょうか」
店員さんが丁寧に私に尋ねるから私も緊張も伴い畏まってしまう。
『あ、いえ、大丈夫です。テキーラワンショットとかってもらえますか。
テキーラがなければ、お店の中で一番強いお酒を一杯くさだい…』
「畏まりました」
そう一言告げると、店員さんは軽く会釈をして、扉を閉じた。
やばいやつだと思われたかな。
でも、緊張して今にも失神してしまいそう。
口の中が乾くのを感じ、先にもらった水の入ったコップを口元に持っていく。
飲もうとすると、中がカラだったことに気づく。
もう、そんなに飲んだのか。
お酒が来るのを待って、その時に水を頼もう。
ていうか、こんな高そうな店に来たの初めてなんだけど。
お金払えるかな…。
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作者名：Haylee :D | 作成日時：2023年2月3日 18時
