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「それでは、始めまーす！」
聞いていた流れからすると、
まずはホテルに入ってお互いお風呂に入るシーンから。
松村北斗が主役だから、私より彼中心に撮影。
シャワールームでお風呂を浴びた後に体を拭く彼。
それをカメラマンがアップで撮影し、私は背景のベットで彼が出てくるのを待つ。
カシャ、カシャ、と一枚ずつカメラマンさんが撮っていく中、彼はカメラを意識しつつ、
『…っ、』
すごくいい体してる。
引き締まってるウエストと、おへそからその下へと続く細いライン。
男性経験なくても、彼の魅力が嫌というほどわかる。
でもそれは、女としての性(サガ)だと思う。魅力的な身体に惹かれてるだけ。
ただそれだけ。
下腹部が引き締まるのを感じながら、自分に今は仕事中だと言い聞かせる。
「それでは松村さん、ベットへ移動お願いします」
下半身にタオルを巻いている彼がゆっくりとこちらへ歩いてくる。
その間、私は薄いランジェリーを纏って足を組み、ベットの端で彼を待つ。
「Aさんの前で立って、手を差し出してください」
私の前で歩みを止め、手を差し伸べる。
上からじっと目を見つめられ、私は思わず息を呑む。
彼の黒い目にかかった前髪が一本一本見える。
「おいで」
差し伸べられたその右手に自分の左手をのせた。
指を絡められ、彼の左手が私の顎に触れる。
「松村さん、そのまま顔を近づけてください」
カシャ、
手汗がやばい
「もう少し、顔、近づけられますか？」
男の人に触れられたことすらないのに
カシャ、カシャ、
『っ…、』
カシャ、カシャ、カシャ
息が顔にかかる
もう、マジで、
「はい、オッケーです！」
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作者名：Haylee :D | 作成日時：2023年2月3日 18時
