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「は・・・？」
思わず振り向いて西園寺を見詰める。無表情だった。全ての感情を押し込め、隠そうとしているみたいに。
「良樹がさ、見初められたんだよ。○潤に」
○潤と言えば、県内の誰でも知っている有数の権力者かつ富豪だ。
いつからこの一帯を牛耳っていたのか誰も知らず、また人間味のない経営手腕の高さから「○潤は胴体のない化け物」とか「パラレルワールドから来た魔王」とかファンタスティックな噂が囁かれるとんでもない人なのだ。
「前田さんって普通の高校生じゃないんですか？うちの祖父だってお会いした事が無いと言っていたのに、○潤さんと知り合う機会なんてそう無いと思いますが」
「○家の跡取りは代々薔薇門高校で結婚相手を選ぶしきたりなんだ」
「・・・初耳です」
というか、潤さんって女性だったんだ。男子校で結婚相手を選ぶってことは○家は代々女性が後を継ぐらしい。意外と自由主義的で良いと思う。
「まあ部外者は・・・つーか、薔薇門の生徒にすら知らされないからな。俺も最近知った」
「それで、前田さんは結婚にオッケイしたんですか」
「してない・・・」
力なく首を横に振る西園寺。
「前田も俺のことを好いてくれてる」
・・・両想いになったんだ。今更だけどやっぱり苦しい。
「だけど俺は、自分の感情だけで動けない。それをしたらあいつも俺も徹底的に貶められる。教え子の平穏な日常を奪っちまうのは教師としても男としても、駄目だろ」
「どうして貶められるんですか？だって憲法24条では、結婚は両性の同意にのみ基づくと書いてあります。好きじゃない人と無理やり結婚だなんて有得ません。好きなら、好き同士で一緒になれば・・・、」
言いかけて口ごもる。私の母を思い出したから。私は、周囲に望まれない結婚の大変さを知っていた。
だんまりを決めた私に、西園寺は下手くそに笑いかけた。
「諦めるしかないだろ？・・・それで全部丸く収まるんなら。あいつが元気でいるならもう、二度と会えなくたって構わない」
・・・そんなに西園寺は前田さんが大好きなの？筋金入りの自己中のクセに。両想いになるのは難しいのに、男同士なら尚更なのに、諦めるのこの人は。・・・切ないとか可哀想とか通り越して、何故か・・・。
何故かイライラしてきた。
「ふざけないでください」
怒気をにじませた私の声に西園寺が驚き、「えっ」と漏らした。
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茂木サカナ - そうですね。学園ハンサムは占ツクではまだまだマイナーなので、これから西園寺さんたちの活躍する話がどんどん増えてほしいです！ (2018年5月18日 20時) (
レス) id: 10d180f801 (このIDを非表示/違反報告)
ハニトン！（別垢）(プロフ) - これからもハンサムな小説が増え続けるといいですね！ (2018年4月21日 11時) (レス) id: baf5146a2f (このIDを非表示/違反報告)
茂木サカナ - 有難うございます。励ましの言葉大変恐縮です。頑張ります (2018年2月28日 18時) (レス) id: 609f4ec12b (このIDを非表示/違反報告)
夏川なずな - コメント失礼します！とても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張って (2018年2月27日 15時) (レス) id: ceafb5d2c9 (このIDを非表示/違反報告)
茂木サカナ - 有難うございます。ご期待に沿えられるよう、ぼちぼち頑張りますので、気長にお付き合いくださいませ。 (2018年2月9日 19時) (レス) id: 6917fa2426 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茂木サカナ | 作成日時：2018年1月1日 23時
