お弁当４ ページ36
「……」
ベンチにはジョンイン君が座っていた
しかも昨日とは違って私がいつも座るベンチに…
JI「あっ、Aヌナ〜」
なんて、笑顔で私に手を振ってくる
くそ、可愛すぎかよ
人懐っこくて明るい彼を見てると彼がなぜ人気なのか、分かる気がする
まあ、誰も彼の空腹時の姿を知らないと思うけど
「ジョンイン君、なんで今日もいるのかな？」
JI「だってヌナのお弁当が忘れられなくて〜。それにほら、」
これこれ、とコンビニ袋を見せてきた
それは昨日もらったのと同じサラダとパン
JI「ちゃんとヌナの分買ってきましたから〜」
「え、私がそっちを食べるの？自分のお弁当じゃなくて？」
JI「だって俺、ヌナのお弁当が食べたいから…」
はぁ、もうしょうがないな
「これからジョンイン君の分のお弁当も作ってきてあげるから。だから、次からは私のお弁当食べないでね？」
JI「ほんとに？やった！うんといっぱいお願い！」
「はいはい」
その次の日から待ち合わせはいつものベンチで
ジョンイン君とお弁当を一緒に食べることになった
ジョンイン君とは驚くほど早く打ち解けて、
次第に私はジョンイン君をジョンインと呼び、
ジョンインは私と話すときに完全に敬語をやめるようになった
JI「あ、ヌナ！今日チキン入ってない泣」
「だって毎日食べてたら身体に悪いでしょ」
JI「でも俺毎日食べてたよ。まあ、ヌナのお弁当ならなんでも美味しいからいいけどね〜」
「上手いこと言っちゃって…」
JI「ほんとだってば。俺あのとき、ヌナのお弁当を食べて胃袋掴まれちゃったんだから笑」
ジョンインはそうやって褒めてくれる
実際、いつもお弁当箱が綺麗になって帰ってくるのは私も素直に嬉しい
なんだかんだでジョンインは今私の癒しなのかもしれない
KS「今日もジョンイナと食べてたの？」
「もうね、これからは私がジョンインのお弁当も作ることにしたの」
KS「へぇ〜」
そう言ってギョンスは少しニヤッとする
「なによギョンス、少し気色悪い」
KS「いや？なんか意外だなって笑
ジョンイナにA振り回されて大変じゃない？」
「んーん、自分のお弁当作るついでだからそんなことはないかな」
そう、なんだかんだでジョンインの分のお弁当を作ることを楽しんでいる自分がいる
だから振り回されていたとしてもいいかなって思ってしまう
KS「まぁ、ジョンイナはあいつみたいじゃないから
いいけどね」ボソッ
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作者名：しず | 作成日時：2016年11月28日 17時
