EXO短編集 (ページ29)

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アルバム４ページ29

ギョンスに会えなかった悲しみを感じつつ、

「すこし食べ過ぎたかな…」と明日のトレーニングの事を考えながら次の角を曲がる

そこには小さい時によく遊んだ公園が広がっていた

＿＿＿＿＿＿カサッ

(だれか公園の中にいる)

音のした方を見ると、スーツに帽子を被り、マスクをつけている男の人がいた

？「……」

しまった

スタスタとその人がこちらに歩き始める

その人の方を見たのが公園の入口だったため、気配に気づいたその人と目が合ってしまったみたいだ

怖くなった私はそこからダッシュで逃げる

？「……！」

すると後ろから追いかける足音がした

？「……待って」

少し小さく、口ごもるように叫ばれた

「(怖いんだから、待つわけないじゃない！)」

こんな時に足の速さが役に立つとは思わなかった

「(この角を曲がれば家だ！)」

まだその人は追いかけてくる

そして角に差し掛かったとき、

？「A、待って……！」

今度ははっきりとした大きな声でさらに、自分の声を呼ばれた

その声にハッとした私はようやく走るのをやめて、後ろを振り返る

その人はまだ離れたところでふらふらと走っていた

「ご、ごめん。びっくりしちゃって…」

走って上がっている自分の呼吸を整えながら、

やっと追いついたその人に話しかける

？「はは…、ほんと足速すぎ笑…ハアハア

さすが陸上選手……」

そう言いながらマスクを外して帽子を取るその人

徐々に明らかになる彼の正体に走ってたせいもあってか、心臓の音がさらに大きくなる

昔は学ランを着ていた彼は、今では身長が伸びて、スーツが似合うたくましい男性になった

だけど

笑うとハートになる口や、白目の多い目

優しい声と笑顔は昔も今も変わらない

卒業後、画面越しでしか応援することができなかった彼が今、私の目の前にいる

「久しぶりだね、

ギョンス」

KS「ああほんと笑。久しぶり、A。」