恋のキューピッド３ ページ23
？？？side
カチャ＿＿＿＿＿＿
「あ、開いた…」
鍵をさすこともなく、ドアノブを回すだけで開いたドア
インターホンを鳴らさず入ろうとした私も私だけど
チャニョルに呆れてしまう
ったく、チャニョルの奴
自分がでかい図体してるからって不用心なんだから
そう思いながらスタスタと部屋の中へ上がっていく
騒がしいチャニョルとは対照的な綺麗に片付いている部屋
少し落ち着いた雰囲気の部屋の一角にはギターが置いてある
「おーいチャニョル、起きなー！風邪ひくよー」
チャニョルはギターの横にうずくまって寝ていた
その片手にはしっかりとケータイを握りしめている
揺さぶっても起きないチャニョルをなんとかベッドに運ばないと
そう思い、自分の肩にチャニョルの腕を回して立ち上がろうとする
「っく、バカチャニョル、重いっ…」
長身のチャニョルに比べるとかなり小さい私の身体にチャニョルの体重が乗ってヨロヨロとする
CY「………A、好き…」
「はいはい、愛しのAには夢で会ってください」
寝言を呟くチャニョル
その口から出てくる名前に過剰に反応してしまう
………今のは私のことじゃないから
自分にそう言い聞かせることしか出来ない私
なんて惨めなんだろう
ボスッ＿＿＿＿＿＿
なんとかチャニョルをベッドまで運べた
かなりの体力を使った私はチャニョルが横になるベッドに、同じように横になってみた
相変わらず顔整ってるな
昔はまん丸だったのに笑笑
昔を思い出しながらチャニョルを見ていたら
チャニョルの両目から二本の線が付いていることに気が付いた
「また、泣いてたんだね」
よく見たら瞼も腫れぼったくて鼻も赤くてどこからどう見ても泣いたことがわかった
チャニョルが泣くまで想いを寄せるAさん
羨ましいよ
本当はAさんに言ってやりたいくらいだよ
あなたを大切に思う奴がここにいますよーって
まあ、今更遅いけどね
チャニョルの頬を撫でる
昔はあんなにふっくらしてたのに
今はこんなにシュッてしちゃって
また最近痩せた気がする
腕も背中もたくましくなって
もう男性なんだね
私もその腕で守られてたいよ＿＿＿＿＿＿
「バカチャニョル、私の気持ちに気づけって」ボソ
"ずっとチャニョルが好きだったんだから"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しず | 作成日時：2016年11月28日 17時
