ソファ ページ12
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翌朝向かったのは勿論昨日の彼の自宅(?)で、改めて外観を見ると幽霊屋敷の様である
『内装は割と小綺麗だったのになあー』
「――それはどうも」
『わ!』
ポツリと呟いた独り言に、背後から返答があったので驚いた、気配を消して近付かないでいただきたい
『お、おはようございます』
何気なく云った朝の挨拶だったが、無言で数秒見つめられ、「――おはようございます」と、ほんの少し口角を上げたその人
―――そういえば…
『あの、お名前、伺っても?』
初めて会った時にも訊いたが、教えてもらってなかったので、改めて訊いてみたのだ
果たして教えてくれるのだろうか
「そのうち判ります」
矢張り教えてはくれない様だ
上手くはぐらかされている様な気がしなくもないが、まあ普通に考えてよく知りもしない女に易々と名前を云う訳ないか
この辺りに住んでいるのならば尚更、寧ろ常識だろう
ふむふむと考えを巡らせていると「どうぞ」と、扉を開けてくれたのでお邪魔する事にした
それにしても
『本当にここで生活をしてるんですか?』
「ええ」
改めて見ても矢張り感想は変わらず、生活感の無い殺風景な部屋である
机と椅子と、真っ白な寝台、大きな家具はその程度で、私なら三日と待たずに根を上げるだろう、せめてソファとテレビは欲しい所だ
『…ソファぐらい、置いたら如何です?』
「ソファですか、考えておきます」
果たして本当に考える気が有るのか否か
「――では、本題ですが」
そうだ、私は今日その話をしに来たのだ、調査中の危険異能者に何故か雇われる話を――
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世河経(プロフ) - 孫うこと無き神作を見つけた (2022年3月23日 11時) (レス) @page4 id: 41bf3298cb (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - すみません、26ページなんですけど、ドスエフスキーになっていましたよ? (2018年12月21日 14時) (レス) id: d6c3f54fc0 (このIDを非表示/違反報告)
狐の涙(プロフ) - フョードルさん、いいですね。生命の輝き!! (2018年10月13日 21時) (レス) id: e918fb1bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - ドストさんすき…あゝでも生命の輝きもすき…もッと云うなら骸砦組だいすき。 (2018年10月5日 11時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
彦星(プロフ) - 今更コメントすみません、失礼します。最高でした(;_;) ドス君、、、最高の作品をありがとうございました!応援してます! (2018年7月4日 17時) (レス) id: 3e6db4893b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お餅 | 作成日時:2018年4月14日 15時