第119話 ↓ ページ44
A「な、何でしょう？梅園さん？」
梅園さんがいきなり沈黙を破ったのでちょっとびっくりしてしまった。
梅園「俺のこと『おじいちゃん』って呼んでくれへん？
孫が亡くなった今誰も『おじいちゃん』って言ってくれる人がいないんや。ええ？」
…それくらいなら。私も「おじいちゃん」って呼ぶことができる人いなかったし。
「父さん」「母さん」は言うたびに泣きそうだからこういうことしたくないけど。
A「良いですよ、おじいちゃん。私は逆に『おじいちゃん』って呼ぶ人がいないんで」
すると梅ぞ…おじいちゃんがにっこりと微笑んだ。その笑顔はこの季節には似合わないひまわりのよう。
梅園「そういえばそうやったな。…A」
急に梅園さんが私の名前を口にした。さっきまで私のことお嬢ちゃんって呼んでたのに。
梅園「そう呼んでもええか？お嬢ちゃんじゃなんかよそよそしいやろ？それに俺の孫やからな」
どうやらおじいちゃんは呼び方だけじゃなくて関係まで孫と祖父のようにしようとしているみたい。
私的には全く問題ないんだけど普通に外を歩いている時に「おじいちゃん」って言うのは恥ずかしいな。
梅園「取り敢えずこの呼び方に慣れた方がええと思うから土方君がくるまでおしゃべりする？」
A「そうですね」
確かにこの呼び方に慣れた方がいいかも。だって目の前にいるのはおじいちゃんじゃなくて1つ年上のの男の子だから(見た目だけ)。
〜15分後〜
副長がやっと帰ってきた。おじいちゃんとのお喋りは楽しかったし全く不満はないんだけどね。
土方「梅園さん、許可が取れたぞ。なかなかとっつぁんに電話がつながらなくてな。こいつのこともあって…」
と言い、土方さんは私を指差す
土方「超常現象とかに驚かなくなったらしくて説明は短く済んだから良かったんだが」
とにかくおじいちゃんは真選組に入れるわけだ。良かった。今度料理教えてもらおう。
A「良かったですね、おじいちゃん」
梅園「そうやな、A」
すると今の会話を聞いた副長が目を見開いた。まぁ驚くとは思ってたけど。
梅園「いやぁ…孫が恋しくてなぁ…」
梅園さんはニコニコしながら副長に向かってそう言った。
そういえば梅園さんと副長を眺めているととても不思議な気分になるんだよな。
「年下に敬意を払う年上」っていうのを現実で見たことがなかったから。
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さどぱか(プロフ) - ありがとうございます。土曜日の夜にはきっと更新再開すると思うので是非読んでください！更新頑張ります！ (2020年4月9日 7時) (
レス) id: c1e220a435 (このIDを非表示/違反報告)
☆神楽☆ - すごく面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年4月8日 19時) (レス) id: e9262c735d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さどぱか | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/O1rSdKG5jR4/
作成日時：2020年2月16日 13時
