アイドルがアイドルに恋した話 S.S

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「わんっ」
『チャイちゃん……？』





何やらごそごそと勝利くんの持っていた
カバンに頭をつっこんでいるチャイちゃん。





「こら、チャイ何してるの〜、て……あ」
『！』




勝利くんが持ち上げたチャイちゃんの口には折り畳み傘がくわえられていた。さっき勝利くんが雨の中傘を買いに行ってくれていた時に彼のカバンからみつけた傘だ。





「あ、あれ〜〜？
俺、傘持ってたんだ〜？(笑)」
『……ふ(笑)』




勝利くんのバレバレの嘘。
まさかチャイちゃんにバラされるなんて思ってもなかったんだろうな。


買ってきてくれた傘を2人で使おうとしたけど私のほうに傾けてくれていてほとんど勝利くん濡れてたし、
ほんとに勝利くんのこういうとこも全部……






『すき、』





アイドルを目指し続けいた頃の私を
支えてくれたあの日からずっと、





「なんか言いました？」
『……いえ、何も無いです(笑)』





いつか私のこの想いは彼に伝わるのかな





「そうだ、よければチャイと遊んであげてください」




チャイちゃんのお気に入りらしいボールを渡されるとさっきまでずっと勝利くんの膝の上にいたチャイちゃんがじっとこっちを見出す。





『チャイちゃ〜〜んっ、』




ほら、とボールを近くに転がすとムクっと起き上がってボールの元へ飛びついた。

♡！！！！





「可愛い……」
『ですよね!!!!!』





顔を上げるとばちっと勝利くんと目が合う。
あれ、今 チャイちゃんに対して言ったんだよね……？





「ぁぁ、ごめんなさい……」
『？？』



「あの、俺ほんとにAさんのファンでこうやって
会ったり隣にいるだけでもドキドキしてるのに……
Aさんが家にいると思うとなんかやばくて、、」




Aさんのことみてたら思わず声に出ちゃってました…、て。
私の耳がとうとう幻聴しか聞こえなくなったんだろうか。



勝利くんが私にドキドキする？やばい？可愛い？
え、逆じゃない？？？？？？？




「Aさんのこと好きです……っ応援してますっ」




どうしたの勝利くん。こんなのはっきり言える子だったの？私泣きそうなんだけど？


どうやら私が勝利くんに夢中になっていた間に、
こんなにも推しに好かれてしまったらしい。




……それは恋愛感情じゃなくてファンとして、だけど。









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