find your TREASURE!!

08. ページ8

.




「Aはメンバーの中で付き合うなら誰がいい？」

「ヒョンソクオッパかヨシノリオッパ」

「理由は？」

「消去法」

「可哀想」




紅一点はやっぱりこういう質問が多い。

もちろん全員友達やメンバーとしては好きだけど彼氏としてはナシよりのナシばかりだ。




「私は結構ジフンとのケミを推してるんだけどなぁ」

「オンニ、どう考えたってジフンオッパが1番ないですよ。消去法でいちばん最初に消えました」

「そんなことある？」

「ジフンオッパと付き合うなんて考えただけでも鳥肌が……」

「じゃあもしヨシノリと付き合ったらなにがしたい？」

「……渋谷デート？」

「シブヤ！ステキ！」




女の子はみんな恋バナが好きなんだなぁと遠い目をする。

もちろん私だって恋バナは好きだけど、それはあくまで人の恋バナを聞きたいだけであって、決して自分の話がしたい訳では無い。

しかもこれに限っては恋ではなくただのケミだ。




「またたくさんヨシノリとの写真あげてね！」

「はーい」




楽しそうに手を振るトゥメに苦笑いで振り返す。

次のトゥメを待っていると、やってきたのは私の痛バックを持って真っ赤に震えた顔で立つ高身長の男の子だった。




「は、はじめまして！僕Aさんの大ファンです！今日をずっと楽しみにしてました！！」

「えー！ほんと！？ありがとう！座って座って！」




本日初のナムジャペンはどうやら私の大ファンらしい。

歳は05でジョンファンと一緒。

私の顔がプリントされた缶バッチが透明のバックの中でズラリと並んでいる。




「ひぇ……き、綺麗すぎて直視できない……」

「ありがとう！君の顔も見せて！」

「むむむ無理無理無理」

「顔上げて？」

「ひー！」




耳まで赤くして下を向く彼の顔をのぞき込むと、余計に赤くなってしまった。かわいい。

母性をくすぐられて手を握るとすごい勢いで離され、「サインお願いします！ここに！」とアルバムを押し付けるように渡された。




「そんなに照れなくたっていいのに」

「お、俺がAさんに触れるなんて恐れ多すぎて…！」

「Aさんじゃなくてヌナって呼んでよ」

「え、ヌ、ヌナだなんて俺なんかが呼んでもいいんですか！？」

「もちろん！」




にっこり笑うと嬉しそうな顔をして「Aヌナ…！」と名前を呼んでくれた。

やだ、なんて可愛いのかしら、この子……



.

09.→←07.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す