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「ジフンさん」
JH「………ちゃんと名前呼んで」
「…ジフン、もう大丈夫だよ。だって今のジフンはこうやって優しく接してくれてる」
JH「……、」
「それだけで私すごく幸せなの」
にっこり笑うと、ジフンは私の手を強く握って「ありがとう」と泣きそうな顔で言った。
彼の前で自然に笑えるようになった。
彼の怒った顔以外を見ることができるようになった。
わたし、それだけで本当に幸せだよ。
JH「……俺、本当はずっとお前のこと……」
「……やだ、」
JH「え?」
「………わ、私も、ちゃんと名前がいい……」
私はちゃんと名前で呼んで、敬語も頑張って外しているのに、私のことはやっぱりお前呼びだなんて嫌だ。
彼はほんのり顔を赤くして「……A、」と呼んだ。
JH「……俺ずっとAのこと……」
「……、」
JH「………か、わいい、と思ってて……」
「かっ……」
JH「それで………冷たい態度、とってしまった」
「……、」
JH「お見合いの時も正直一目惚れで……」
「一目惚れ…」
私のことを可愛いだなんて。
真っ赤になる私の顔を見て、ジフンさんまで真っ赤になる。
私のことを可愛いと思ってくれてて、それで冷たい態度や酷い態度をとってしまったなんて、まるで好きな子をいじめる小学生みたいだと少し呆気に取られた。
JH「……小学生みたいで悪いかよ」
「えっ!?わ、私声に出してた…?」
JH「出してなくても顔に出てる」
「えええ……」
そんな顔を赤くして睨まれても、ただ私にまで恥ずかしさがうつるだけ。
幸せで、嬉しくて、ずっとこんな幸せな時間が続いて欲しくて、私はただそれだけだった。
ジフンがいてくれればなんでもよかった。
本当に、それだけだった。
JK「Aっ!みっけ!」
「え……ジュンギュ!?」
JK「探したよ。A程のお嬢様が護衛もつけずにこんな街中歩いちゃダメでしょ!」
「いや、ちょっと……!」
JK「早く帰ろう、俺たちの家に」
多分これが悪夢の始まりだった。
……いや、もしかしたら本当はもっと昔から、私が生まれた時からすでに悪夢は始まっていたのかもしれない。
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どりぃ(プロフ) - アラムさん» ありがとうございます!ジュンギュにこんだけ一途に愛されたいですよね(╥﹏╥) (5月6日 5時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
アラム(プロフ) - 良すぎます( i _ i )ジュンギュのこういう感じ似合います( i _ i ) (3月31日 8時) (レス) @page14 id: a54bdcc06c (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - 😢🥺🥰 (3月26日 12時) (レス) @page14 id: 825bc8586a (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - りーさん» ドキドキして貰えて嬉しいです💞ありがとうございます!続きだしました! (3月25日 22時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - ジニさん» ありがとうございます!!うわああ嬉しすぎます😭😭本当にお待たせしてしまい申し訳ありません😭これからも頑張ります!! (3月25日 22時) (レス) @page14 id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どりぃ | 作成日時:2024年2月20日 19時