愛と呼べるなら

08. ページ8

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「失礼します」




お父さんが会議に入る前にジフンさん、ジョンウくん、ジョンファンの3人で事前打ち合わせをする。

その間のお茶汲みも秘書の大切な仕事のひとつだ。


適度な温度で適度な味のお茶を出そうと努力しているけど、やっぱりいつもジフンさんだけは飲んでくれない。

いつも出す度に「不味い」と怒られる。

お茶も満足に淹れられない秘書なんて、ジフンさんも欲しくないだろうなぁ。




SJ「ヌナありがとう」

「うん。打ち合わせ頑張ってね」

SJ「ヌナのお茶1杯で1時間は頑張れる」

JW「俺もAさんが入れてくれるお茶が1番好きだよ」

「ありがとう2人とも」




弟やジョンウくんが優しいから今まで何とかやってこれたと言っても過言ではない。


2人にお茶を置いて、それから奥でギロリと睨むように頬杖をついて私を見ている彼の元に近づく。

ダメ…震えないで私の手。




「…し、失礼します…」

JH「……」




ジフンさんの横にそっと入り込んでカップを置く。

手が震えるせいでカップとソーサーがカチャカチャと音を立てる。




「……、」

JH「……」




…すごく見られている。

相変わらず頬杖をついたまま、感情の読み取れない目で私を見ているその姿により緊張が増す。




「…し、失礼しました、」




なんとかカップを置いてようやく彼から離れることが出来た。

逃げるように部屋を出て息をつく。




「…ジフンさん、今日は飲んでくれるかなぁ、」




そんな無駄なことを思いながら、給湯室に足を戻して行った。




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