02. ページ2
.
JW「Aさんおはよ」
「ジョンウくんおはよう」
朝食を取るためにダイニングルームに行くとスーツを着たジョンウくんが笑顔で私を迎えてくれた。
彼はこのパク財閥の次男で、1週間前に嫁入りして来た私にとても親切にしてくれた人。
彼自身も少し人見知りなのに一人ぼっちの私と積極的にコミュニケーションをとってくれて、さらにはお義父さまやお義母さまとの間を取り持ってくれた優しい子だ。
JW「どう？そろそろこの家にも慣れてきた？」
「うーん…まだ家の中で迷子になっちゃう時はあるよ」
JW「あはは！広いもんね、このうち」
「今朝も中庭から部屋に戻れなくて……」
言いながら今朝のジフンさんを思い出す。
不機嫌そうなあの顔が忘れられない。
私のせいで綺麗な彼の顔をあんな表情にさせてしまっているんだと思うと一気に気分が暗くなる。
JW「…Aさんヒョンにまた変なことされたの？」
「…大丈夫だよ。私が悪いから」
JW「やっぱりされたんじゃん。いつも言ってるけど、Aさんはほんとに何も悪くないよ」
「……ありがとう慰めてくれて」
私の暗い顔を見て優しい言葉をかけてくれるジョンウくんに少し笑う。ジョンウくん本当に優しいの。
彼は「違うんだけどなぁ」とボヤく。
ちょうどそこにスーツ姿のジフンさんが入ってきて「ジョンウおはよう」と優しい笑顔を向けた。
それから私を見て小さく舌打ちをする。
JH「今ジョンウと何話してたの」
「え、い、いや……その、」
JH「は？はっきり喋れよ」
「っ、……ごめんなさい、」
JW「Aさんに今日の株レートを教えて貰ってただけだよ。気にしないでヒョン」
「さ、ご飯食べよ！」とこの沈んだ空気をどうにかしようとジョンウくんが明るい声を出す。
…ああ、また私のせいで嫌な空気にさせてしまった。
JH「ジョンウ、今日ネクタイ赤にしたんだ」
JW「そ。この前買ったばっかのやつ」
JH「いいじゃん、似合ってるよ」
一切交わることのないジフンさんとの視線、会話。
メイドさんが出してくれる美味しそうなご飯を見て、なんだか余計に虚しくなった。
「……、」
……私、彼の婚約者なのに。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 696人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どりぃ(プロフ) - りりちゃんさん» 可愛いだけじゃない闇ギュもいいですよね！今更ながら更新しましたので、お時間ある時に覗いて見てください！ (2月20日 19時) (
レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - minachanloveさん» 大好きと言っていただけて本当に嬉しいです😭今更ながら更新しましたので、またお時間あるときに覗いて見てください！ (2月20日 19時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - メロンパンさん» 何回も何回も読み直していただけて本当に嬉しいです！今更ながら更新しましたので、またお時間ある際に覗いて見てください！ (2月20日 19時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - ジニさん» ありがとうございます！情けないジフンもたまにはいいですよね(*^^*) (2月20日 19時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - mama_miruku_さん» そう言っていただけて本当に本当に嬉しいです🥲今更ながら更新再開しましたので、またお時間ある際に覗いて見てください！ (2月20日 19時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どりぃ
| 作成日時：2022年2月2日 10時
