07. ページ7
.
「きゃー!ハルト様〜!!」
「なんて高貴なお顔なの……!」
「その長い足で蹴って欲しい……」
……なに、この学校の女はみんな狂ってんの?
ジョンウの時と言い異常なほどの彼らの人気にもはや恐怖すら感じている。
そんなこと少しも気にしていないハルトはズンズンと階段を登り、当たり前のようにポケットから取り出した鍵で屋上へと入った。
「……あ、あのぉ……」
HR「なに」
「ひっ……い、いや、腕が……」
HR「あ?なんか文句でもあんの」
「ありません」
怖すぎるんだけどなんなのこいつヤンキーなの?盗んだバイクで走り出してんの?
なぜだか分からないけど頑なに離そうとしない私の腕はそろそろ血が止まり始めている。ほら見て、二の腕真っ赤だもん。
HR「なぁ、お前の親父、最近ヒルトホテル本店舗のコンシェルジュになったんだってな。しかも結構エラい立場らしーじゃん」
「い、一体どこでそれを……」
HR「ジョンファン」
「Oh……」
ジョンファンなら仕方がない……天使だって間違えることはある。
でも一体それがなんだってんだ。
HR「ジョンファンの親父はヒルトホテルの社長秘書なんだけどさ」
「ン??しゃ、社長秘書?」
HR「ちなみにその社長って俺の親父な」
「ハ!!??」
たった2秒でとんでもない爆弾を落としたハルトに目を見開くと「お前が1番身分が低いな」と鼻で笑われる。
身分ってなんだおい。うちのパパも頑張ってるのよ。
HR「だからお前、俺の犬になれよ」
「は?」
HR「は?じゃねーよ。犬になれ」
「いや、だから犬になる意味が分からないんですが……いや、い、犬ってなに……」
HR「あ?」
「すみません」
もう既に犬のような扱いじゃないか?と思いながら、「ごめんなさい、む、無理です……」と首を振る。
ハルトは舌打ちをして掴んだままの腕をグンと引き、私はハルトの方にぐんと引き寄せられる。
HR「今日からお前、俺の犬。拒否権はなし」
「…いっ、いやいや……ちょ待…近っ……」
HR「拒否んならこのままぶち犯すけど」
「やらせてください」
HR「即答かよ」
ふはっと笑ったハルト。ちゃんとした笑顔初めて見た。
さっきからとんでもないワードしか言わないけど、やっぱり顔だけは私のタイプだ。顔以外は全部無理。
HR「せいぜい尻尾振って尽くせよ、俺のワンコ」
「…………、」
…どうやらとんでもないやつの犬(仮)になってしまったらしい。
.
836人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「TREASURE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うちゅちゅちゅじぇひょくん - コメント失礼します!今まで見たtreasureの妄想の中で一位になるくらい面白いです笑キャラも最高だし、ところどころのツッコミ?とか主人公の性格も面白いし似てるというかとにかく最高です!応援してます! (6月18日 16時) (レス) @page45 id: 30883e7dee (このIDを非表示/違反報告)
にょっぱ(プロフ) - 大車輪に毎回吹き出しちゃいます。素敵な作品を掲載して頂いてありがとうございます!これからも応援しています♡ (6月11日 23時) (レス) @page26 id: 3902eee54d (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - じぇさん» 書き手再開しました。お待たせしました。また自分のペースでちまちま更新していきますm(_ _)m (2023年5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - ?.さん» ありがとうございます。また自分のペースでちまちま更新していきますm(_ _)m (2023年5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - 千春さん» 大変お待たせしました。またちまちま更新していきますm(_ _)m (2023年5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:どりぃ | 作成日時:2021年11月14日 10時