お願い、私に関わらないで

34. ページ34

.




「じゃ、今日は予定通り毎月恒例の席替えをします」

「……席替え？」

「前のやつからクジ引いていってー」




先生のダルそうな声にぴくりと反応する。

たしかに今日は5月1日。でも席替えなんて聞いてない。




「じゃあジョンファンと離れちゃうんだ……まだ3日くらいしか隣じゃないのに」

SJ「俺もずっとこのままが良かった。そうすればAちゃんにずっと数学教えて貰えるでしょ？」

「でもジョンファン私の教科書に落書きするからなぁ」

SJ「…バレてたの？」

「あはは、バレバレだよ」

HS「おい、早くクジ引け」




ヒョンソクから痛々しい視線が飛んできて、少し恥ずかしくなる。

……なんだかラブラブなカップルみたい。




SJ「4番だ。Aちゃんは？」

「7番。えーっと……あ、やった！窓際の1番後ろの席だ」

SJ「あー……残念、遠いや」




黒板に書かれた番号と照らし合わせて、私は窓際の1番後ろという、目立たなくて快適な場所をゲットした。

ジョンファンは廊下側の席で遠い。




SJ「なんかあったら俺の事呼んでね」

「ありがとう」




にっこり笑う姿がすごく綺麗で、やっぱりジョンファンはそこらの女の子より余裕で可愛いと思う。

全員がくじを引き終わってガタガタと机を移動させる。

隣の席の人、お願いだからコミュ障の私にも優しい人であってくれ。




HR「お前ここ？」

「え……うん」

HR「ふーん」




ハルトに聞かれて頷くと、ハルトは私の隣にドンと自分の机を置いた。

キョトンなる私に「1ヶ月よろしく」とニヤリと笑う。




「……え、う、嘘でしょ……？」

HR「嘘じゃねぇよ」

「……嫌ぁーー！！」

HR「おい」




何が目立たなくて快適な場所だ！！ジョンファン今すぐカムバック！！！



.

35.→←33.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す