お願い、私に関わらないで

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「ヒョンソクと友達になれた印」




なんにも知らないAちゃんが嬉しそうにそう言った瞬間、ジョンファンの大きな目が俺に向けられる。

…あーあバレちゃった。




SJ「いいな〜」

「ジョンファンもバナナウユ好きなの？」

SJ「ううん、俺は普通のウユの方が好き。……あーなんだか飲みたくなってきちゃった。ヒョンソギ、一緒に買いに行こ！」

HS「えー、Aちゃんと行きなよ」

SJ「いいじゃん行こうよ！」




腕を引っ張って俺を教室から引きずり出すジョンファン。

その間も終始笑顔を絶やさない。

これだけ見てたら可愛いんだけどなぁ……


痛いくらいに手を掴まれながら大人しくついて行くと、そこは自販機とは真逆の校舎裏。

ジョンファンは俺の胸ぐらを掴んで壁に押し付ける。




SJ「おいチェヒョンソク、お前殺されたいの？」

HS「怖ぁ……」




Aちゃんだけが知らない、ジョンファンの本当の姿。

可愛くてキラキラのパッチリした目はどこに行ったのやら。眉間に皺を寄せて俺にガンを飛ばす。


本当のジョンファンは可愛くて懐っこい弟キャラなんかじゃない。

気に入ったものを確実に手に入れるために猫かぶって懐に入り込み周りを牽制するクソめんどくさい男。ハルトと真逆のタイプ。


人気のない校舎裏で胸ぐらを掴む姿はもはやカツアゲだ。




SJ「必要最低限近づくなって俺言ったよね？」

HS「何をそんな大袈裟な。一日ぶりに挨拶しただけじゃん」

SJ「は？死にたいの？」




性格はハルトと似てないのに、ハルトに負けないほどのこの口の悪さと表情の悪さ。

長いこと一緒にいすぎてしまったのか？




HS「挨拶もダメ？」

SJ「されたら返事だけ。お前からはするな。それ昨日も言ったよな」

HS「相変わらず拗らせてんなぁ」

SJ「あ"！？」




ガクガク揺すぶられて「お前死にしにてぇの？」と脅される。


まぁ、怖くはないんだけどね。

ただジョンファンはほかの男への牽制の仕方が死ぬほど下手くそすぎるだけで、根は純粋なんだと思う。多分。


というか俺がもはやこんな不器用ジョンファンをからかうことにやりがいすら感じてきている。




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