108. ページ10
.
MH『どれだけAがハルトを大切に思ってるか……』
Aにとってハルトは大事な弟だ。
でもハルトの気持ちに答えられない。それはつまりハルトのことを傷つけることになる。
だからAはハルトを傷つけないように、大切な弟が苦しまないように、自分の気持ちを犠牲にしようとまでしてるのに。
そしてハルト自身も、それを分かっているはずなのに。
MH『どうしてAを離してあげないの?』
HR『……』
MH『ジュンギュヒョンを見ては悲しそうな顔してる。自分の気持ちが周りにバレないように、ハルトにバレないように、ハルトを苦しませないようにって』
HR『……』
MH『嘘つくのが下手だからバレてしまってるけど……でもハルトも分かってるでしょ、それくらいAが優しいこと』
責め立てるとハルトは俯いて何も言わなかった。
悲しんでいるのか怒っているのか何も分からない。
MH『……はぁ、』
少し1人になってお互い頭を冷やそう。
俺たちは少しAに依存しすぎている。
もう練習室に戻ろうとしたらハルトの弱々しい声が俺の名前を呼んだ。
長い前髪の間から少しだけ見えた目に光はなかった。
HR『この気持ちどうしたらいい?』
MH『え?』
HR『俺は自分が辛い目に合ってまで好きなやつの幸せを願えるほど、大人じゃない』
また深く俯いて顔が見えなくなった。
代わりに頬を伝った光がハルトのグレーのズボンに2つのシミを作り、そして肩を震わせた。
HR『……ジュンギュヒョンなら、諦められたの?』
MH『……、』
HR『Aの幸せだけを願って、この気持ちに嘘をつくことができたのかな……ジュンギュヒョンなら、』
分かるはずのない想像に頭を悩ませ、ハルトから溢れ出す感情はシミを大きくさせた。
俺も分からない、分かるわけないだろ、そんなこと。
HR『こんなことになるならAなんか好きにならなければよかった……Aに出会いたくなかった、!』
MH『……でもAはそんなこと思ってないよ』
HR『……っ、』
MH『あいつはハルトと出会えて良かったって心から思ってる。だから、そんなこと言うな』
それだけ言って俺はハルトを1人にした。
ごめんハルト。もう俺も分からないんだ。
妹か、弟か、友達か、誰を大切にすればいいのか分からない。
.
1135人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どりぃ(プロフ) - hbownさん» ありがとうございます!!4でもよろしくお願いします(^^) (2021年8月27日 7時) (レス) id: f1dc7e6a91 (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - るとぎゅしか勝たんさん» ドヨンくんの良さに気づいていただけて嬉しいです!!!私も描く度に好きが溢れます!ルトギュのこれからの展開を楽しみにしていて下さい>< (2021年8月27日 7時) (レス) id: f1dc7e6a91 (このIDを非表示/違反報告)
hbown(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2021年8月25日 22時) (レス) id: b8823fc17b (このIDを非表示/違反報告)
るとぎゅしか勝たん - 単刀直入に言いますと 、ドヨンくんにめッちゃ惹かれちゃいます 、段々優しくなッて好きが溢れちゃいますね 、( 笑、)ルトギュのバチバチ感?も最高だし 、何よりるとくンかッこよすぎて … 。更新頑張ッてとしか言えないですが 、頑張ッて下さい 、! (2021年8月8日 13時) (レス) id: 29224f56f6 (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - haruさん» ありがとうございます!本当ですか!嬉しいです><もうすぐ山場なので頑張ります! (2021年8月8日 11時) (レス) id: f1dc7e6a91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:どりぃ | 作成日時:2021年2月9日 23時