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ハルトが部屋から出て行って私もトイレに駆け込んだ。
酷く腫れた目と涙の跡を見て自虐気味に笑う。
何度キスをしたんだろう。何度好きだと言われたんだろう。何も分からなくなるくらい愛を伝えられた。
「うっ……」
なんでこんなにも上手くいかないの。
「お、っぱ……」
私はジュンギュオッパのことが好きなのに。
裏切るようなことをしてごめんなさい。最低なことしてることくらいわかってる。
それでも私がハルトのためにしてあげれることは拒まないということなの。拒んだら彼が悲しんでしまうから。
「……っ、オッパ、」
会いたいよ。今すぐ私を抱きしめてほしい。
枯れるほど泣いたはずなのにまた出てくる涙にいい加減呆れてくる。
一体なんのために泣いてるの?ハルトのため?オッパのため?ただ悲しいから?辛いから?
考えれば考えるほど自分が分からなくなる。
JH「A!?」
「っ、ぇ、」
突然開かれた扉に驚いて振り返ると青ざめた顔のジフンオッパがいた。
どうしてここにとか、なんでとか、頭の中をたくさんの疑問が駆け巡るけど言葉には出てこなかった。
オッパは「どうしたの!?」と焦った顔で私の肩を掴み、薄着の私に上着を貸してくれた。
JH「Aどうして泣いてるの……可愛い顔をこんなにして……」
「な、なんでオッパが……もう夜遅い……」
JH「自主練してたの。トイレ行こうとしたらAが泣きながら入っていくのが見えて思わず……」
大きな手で頭を撫でて、すらっとした親指で私の涙を拭ってくれた。
まるで私に何があったか分かっているかのように「辛いね」と背中を撫でてくれた。
「っ、」
JH「我慢しないで泣いてもいいんだよ」
ジフンオッパの優しい言葉がふわりと私の中に入ってきて、なんとか堪えていた細い細い糸がプツンと切れた。
どうしてジフンオッパは人が欲してる言葉をいとも簡単に投げかけられるんだろう。多分きっと私は何も考えずただ涙を流したかった。
オッパのこともハルトのことも全部全部忘れて。
酷い顔で酷い嗚咽を漏らして酷いくらいの涙でオッパのシャツを汚していく。
ごめんねと謝りながら涙は溢れていく。
真っ暗な私の世界の中で何に対してかも分からない謝罪をしながら延々と涙を流し続けた。
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どりぃ(プロフ) - hbownさん» ありがとうございます!!4でもよろしくお願いします(^^) (2021年8月27日 7時) (レス) id: f1dc7e6a91 (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - るとぎゅしか勝たんさん» ドヨンくんの良さに気づいていただけて嬉しいです!!!私も描く度に好きが溢れます!ルトギュのこれからの展開を楽しみにしていて下さい>< (2021年8月27日 7時) (レス) id: f1dc7e6a91 (このIDを非表示/違反報告)
hbown(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2021年8月25日 22時) (レス) id: b8823fc17b (このIDを非表示/違反報告)
るとぎゅしか勝たん - 単刀直入に言いますと 、ドヨンくんにめッちゃ惹かれちゃいます 、段々優しくなッて好きが溢れちゃいますね 、( 笑、)ルトギュのバチバチ感?も最高だし 、何よりるとくンかッこよすぎて … 。更新頑張ッてとしか言えないですが 、頑張ッて下さい 、! (2021年8月8日 13時) (レス) id: 29224f56f6 (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - haruさん» ありがとうございます!本当ですか!嬉しいです><もうすぐ山場なので頑張ります! (2021年8月8日 11時) (レス) id: f1dc7e6a91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どりぃ | 作成日時:2021年2月9日 23時