僕らのダイヤモンド２

56. ページ7

.




頭の中であの子が上手いと認めていることを、認めたくない。あの子を認めてる自分を認めたくない。

今の俺が抱えてる心と全く同じだった。




KT「きっとイェダムもそうなんだろうな〜ってずっと思ってたの」

YD「……俺が、Aちゃん苦手なの知ってたの？」

KT「うん。なんとなく見ててそうかなって」

YD「……、」

KT「その姿が昔の俺と重なって放って置けなかった」




だから選んだってのもあるんだ、とちょっと申し訳なさそうに笑った。

やっぱ彼女を近くで見てきた人は違うなと思った。

多分、Aのみんなは俺がAちゃんを苦手なの気づいてないと思う。あんまり話さないだけって思ってると思う。




KT「無理に好きになれとは言わないけど、でもきっとイェダムもAの良さに気づいてくれると思うよ」

YD「……、」

KT「これは贔屓とかじゃない。あの子、上手いだけじゃないんだよ。いつか分かるから」




確信してるようにそう言って「じゃあ行こうか！」と立ち上がった。




KT「心配しないで、イェダムならきっと大丈夫」




ヒョンはそう言って俺の頭を撫でた。

この人の大丈夫を聞くと、何故か本当に大丈夫な気がしてきて心地が良かった。


上手いと認めないこと。それがYG練習生最長歴としての意地だった。

だけど、もう少し自分に素直になってみようと思う。




YD「Aさんと回ります」




だから俺はヒョンの大丈夫を信じて彼女に1歩近づいた。



.

57.→←54.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す