貴方の専属「圧倒的モブ顔店員」です。 【2j3j】

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真っ白の煌びやかな箱の中を開けると

雪のように白く、丁寧に塗られているケーキを覆うコーティング

ホワイトチョコで覆われたその真ん中には彩りとしてピスタチオが鎮座している。

母がナイフで端を切ると、中には

ドライフルーツやナッツが疎らに散りばめられていて微かに香るバターが芳しい。



夕飯を終え、母が頂いたケーキを切る様を

父と私で目を輝かせて見ていた。

珈琲豆屋さんの珈琲をお供に

高級そうなケーキを3人で頂くことに。



パウンドケーキを口に含むと

口の中に広がるバターの風味とナッツとドライフルーツのザクザク、しっとりした食感。

ホワイトチョコのコーティングも良いアクセントになっており、かといって邪魔にもなっておらずバランスの良い美味しいケーキだ



はぁ、なんて贅沢な一品なんだろう。

近未来フレーバー要素ひとつも無いけれど、

実に幸せだ･･･



父「恋だな」


母「ええ、恋よ」





父「春だな」


母「あら、もうすぐ秋よ」



『はぁああぁぁ゛〜･･･』




香り高い珈琲も、口に幸せが広がるケーキも

父と母の弄りで全てが台無しである。

父と母はニヤついた顔でこちらを見る、

ローレンさんから頂いたケーキも食べずらいったらありゃしない。


再度ため息を吐いてフォークを置いた


『恋じゃないよ、ドキドキしたり･･･したことない。健吾くんの時はドキドキしてたもん！』




母「それはあれよ、若すぎたのよ。健吾くんのあれは初めて白馬の王子見つけた！！みたいなテンションだったじゃない」



父「見る目37点の健吾くんのことか？」



ありゃダメだ。と首を振る超親バカ父と

白馬の王子なんて居ないのにね〜！と私を煽り小馬鹿にする悪魔母

そしてわざと耳を塞ぐ動作を披露する私


でも、先程言ったことは本当だ。

ローレンさんのことは大切だ。

同じ人として尊敬してるし

日本に来てくれて嬉しいし喋っていると面白くて安心するのも確かだ。

でもドキドキというより、ハラハラ･･･？

私の知らない世界で何をしているか分からない彼には心配が勝るというか、無事で居てくれって思う･･･



母「異世界で戦場に向かう彼の安否を遠くから願う健気な女子ってところかしら･･･」


父「異世界人、そうか･･･昔お前が作っていたクソダサラノベタイトルにもあったなぁ、異世界人。好きなのか？好きなんだろ？異世界人が！！」




『いや、もう･･･いや、異世界人が好きなんじゃないよ！！？』

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