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Aさーん!!と手を振りながらも元気よくレジに向かってくる彼
明らかに仕事終わりだと言わんばかりに、
頬には生傷があり 何故か綺麗な髪を纏めていた髪留めもなくなっていた。
相変わらず異世界での過酷さが伺えて思わず眉を顰める。
「Aさん、おはようございまァす〜」
『はい、おはようございます』
今日も傷とお友達ですか?
と若干煽ったような態度で聞けば
不思議そうに首を傾げて驚いたように頬を触る。
この1年間、何も変わらない
まるで 傷が当たり前すぎて気づきませんでした。と言わんばかりの振る舞いだ
こちとら心配なので、気をつけて欲しいものだ。
えー、銃撃たれた時か?と物騒な発言には触れず、
コンビニ制服のポケットに入っている
ほぼ彼専用絆創膏を渡す。
小さく ありがとう、と呟いた彼は
あ、それでそれで!と明るく話を変えた。
私に向かって勢いよく紙袋を渡してきた彼はそのまま話を続けた
「これ、エデンの方で有名なパティシエが作ったパウンドケーキ。看病のお礼として?あ、因みに味は近未来フレーバーね」
『??なんて??』
「ン?有名なパティシエが作ったパウンドケーキ、看病のお礼・・・です」
『その後です、味がなんて?』
「近未来フレーバー」
・・・え??なにそれ、百味ビー○ズ的な?
なんでそんな得意げな顔してるの?
エデンに住んでるとそんな感覚が狂うの?
近未来フレーバーなんて聞いたことないよ?
だが、受け取った紙袋も中に入っている菓子箱も綺麗でシンプルな印刷が施されていて
エデンの方でも上等品だと察せられる。
有名パティシエが作るケーキなんて普段買わない私はこの紙袋を持つことさえ似合わず
紙袋も高級志向・・・と凝視してしまう。
『あの、ただ看病しただけです。こんな良い物を頂くわけには・・・』
「エ゛?パウンドケーキ嫌い?」
『す、好きです・・・けど』
「おけー。あ、賞味期限近いけど、親御さんと一緒に食べてね」
話聞いてた?
こんな高級なもの頂けないって言ったんだけど・・・
煙草買おっかな〜と呑気に他のことを考えるローレンさんに、やっぱり要らないですと返す訳にもいかない。
それに、今まで自分の世界のことを話さなかった彼が
エデンの物を自ら持ってきたくれた。
それが何よりも嬉しかった。
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。どろ(プロフ) - とさかさん» とさか様、コメントありがとうございます!ちょっとメンヘラ意識してたので気づいて頂けて嬉しいです…!応援ありがとうございます! (3月13日 11時) (レス) id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
とさか - とってもおもしろいです‼ちょっとメンヘラな所、最高です。 更新楽しみに待っています! (3月11日 18時) (レス) @page22 id: 7dfc9e770a (このIDを非表示/違反報告)
。どろ(プロフ) - ひかりさん» ひかり様、コメントありがとうございます!これからも更新頑張っていきます! (2月15日 0時) (レス) @page17 id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 素敵です!!続き楽しみにしてます! (2月12日 18時) (レス) @page16 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
。どろ(プロフ) - こあらさん» こあら様、コメントありがとうございます!そして気づいてくださりありがとうございます。誤字脱字にあまり気づかず・・・こあら様が教えて下さり助かりました!応援ありがとうございます! (2月7日 7時) (レス) id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。どろ | 作成日時:2024年1月28日 19時