貴方の専属「圧倒的モブ顔店員」です。 【2j3j】

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店員さんは煙草をレジに通すと

じーーっとまた俺を見た。

よく人の目を見る人だな･･･と気まずくなる

別に異世界人だ！とか変な人だ！とか思われてもいいけど･･･

そんなに俺って変な見た目してる？



バーコード決済で会計を済ませて

早く出よう、と煙草を持ってレジを離れようとする俺に

待ってください。と店員さんは声をかけた



『私の絆創膏、良かったら使ってください』



「･･･いや、だから」



『例えあなたが平気でも、この絆創膏が貴方に使って欲しいと言っています』



「･････は？？？」



『見ていて心配です！僕で隠して！これからはそんな傷、付けないようにね！と、言っています』



「･･･は、はは、え？絆創膏が？？」



はい、と当然のように頷く店員さんに笑ってしまう。

なんだ？この人？随分と初対面からぶっ飛ばす人だな？

なんか無表情で言ってくるし、いらっしゃいませとレジ中のあの笑顔はどうした？




『受け取らないと、不機嫌になりますよ』




「絆創膏が？」




『絆創膏も、私もです』



詳しいことは聞きませんが、絆創膏を貼る方が治るのが早いんですよ。

ドヤ！と得意気に話す彼女は俺のツボを突いてくる面白い女性だった。

渡された絆創膏を素直に受け取ると、本当にシンプルな可愛げのない絆創膏

ただのお客、しかも初めて来た傷だらけの異世界人にこんなこと･･･



「その、･･･何も返せないですけど」



『返す？』



「お金とか、その･･･」



お金？と大袈裟に首を傾げた彼女は

その後に ふふふ、と可愛らしく口元に手を持ってきて笑った。



『要らないですよ、その代わり絆創膏ちゃんと使ってくださいね』



「じゃあ、また、お礼しに･･･」



絶対来ます、とは言えないか。

明日エデンで何かあるかわからんし、

日本に来れることも絶対とは言えないし



店員さんはまた俺の顔をじーーっと見て

うんうん、と頷いた



『是非。また煙草買いに来てください。ほっぺの傷、治ってからですよ？』



「じゃ、何ヶ月後か」



『･･･いつでもお待ちしております。元気な姿で会える日を楽しみにしてます』




今思えば、Aさんは鋭いから

この時の俺が元気じゃないのも、見るからに痛々しい傷だったってことも、こんな染めてないような赤髪が日本では珍しいことも察してたのかも。





それでも暖かくてさり気ない優しさが沁みた俺は

その日から、休みの度にそのコンビニに行った。

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