貴方の専属「圧倒的モブ顔店員」です。 【2j3j】

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いらっしゃいませ！と元気よく声をかけてくれた店員さんは

扉の近くに居て思わず声を上げて驚いてしまった。


えー、こんなに元気よく挨拶してくれるもん？

こっちの世界の売店店員は「らっしゃせー」ってだったけど？




俺より少し小さめの彼女は

俺の顔をじーーっと見て、ちょんちょんと自分の頬をついていた。

俺も釣られて頬を触ると、ピリッと痛みが走った



『え、だ、大丈夫ですか？』



「いや、慣れてるんで大丈夫です」



どうやら怪我をしていたみたいだ。

数日前警備の仕事をしていて刃が掠ったのだろう

ちょっと厄介な男だったからなぁ〜とぼんやり思い出す。

そんな指摘される程ヤバめ？と携帯で自分の姿を確認すると

頬に数箇所赤い傷や殴られた様な痣があった

うーーん？ま、いつも通りか。




『･･･絆創膏、売ってるのでもし良かったら。要らないお世話だったらすみません』



「いや･･･」



確かに要らないお世話だった。

実際こんな傷日常茶飯事だし、指摘されないと気づかなかった。

日本は、こんな傷も心配されるのか？


不思議な顔をしていたであろう俺の顔を見て

店員さんは頭を下げてレジに小走りで向かっていた。

ま、煙草だけでいっか？とコンビニを見て回ったが

充分見て回ったあと、何故か絆創膏を見ていた



･･･

･･････いやいやいや、なんで？？？？

さっき要らん世話って思ったの誰ーー！？

日常茶飯事って思ってたの誰ー！？

いや、いや、要らん要らん。唾つけときゃ治る。

そう絆創膏から目をそらすと、隣に先程の店員さんが居て心臓がﾋｭｯとなった




「な、なｯ･･･いつの間に？レジ･･･」



『買わないんですか？』



「俺、た、煙草買いに来ただけなんで･･･」



店員さんは悩んだ顔をした後、そうですか。とだけ呟いて

レジで待ってます！とまた業務に取り掛かっていた。


な、なんてお人好しな店員なんだ？？

ただ赤い傷があって痣があるだけの男だし、

もし見るに堪えない姿なら気味悪いからって放っておけばいいものの･･･




変な人だと思った、

でもその気遣いを暖かいと感じた俺も

他の店員がいるのにその店員にレジをして欲しいと思った俺も変だった。




『タバコ、何番ですか？』



「え、っと、23番」



『ふふ、絆創膏は大丈夫ですか？』



「いらないっすよ」




そんな酷い？と聞けば

じっと俺の顔を見て「･･･いいえ」と呟いていた。

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