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「好きになって、ごめんね、やだよね」
なんで?違うよ。
寧ろ逆だよ、私みたいな女が好かれて不思議で、でも幸せで
こんな事があっていいのか悩んでるんだよ。
違う、違う、そんなこと
『そんなこと、言わないで。謝る必要なんて無い、謝るなんて絶対辞めてください』
「・・・、ううん、違う」
『なんですか違うって、私は違うことで悩んでたんです。私は貴方から好かれて幸せです、その・・・』
「俺、嘘ついてるの」
_Aさんに嘘ついてるの。
ローレンさんは何度も何度も謝って
私はそれに何度も頭を横に振った。
頭が取れそうになっても、謝られる度に横に振った。
病人を起こさせたこと、誤解だというのに謝らせたこと
私が起こしてしまった、私が悪かった、私が変な考え事をしていたの。と何度も謝った。
そもそも、嘘をついているからなんだと言うのか。
嘘をついているから?好かれて嫌?
そんな訳ない、誰だって良い人に好かれるのは嬉しいことだ。
私はただ、ローレンさんが私以外を好きになったらどうしようって悩んでただけなのに
『好きになってごめんとか言わないでください、もしかして、私のこと好きってのが嘘なの?』
「それはホント」
『じゃあいい、何だっていい』
お願いだから、謝らないで。
じわっと、瞼が熱くなって泣きそうになる私の顔を見て
謝ろうとした彼は長い沈黙の後「うん」と呟いた。
「・・・言わないつもりだったけど、うん、やっぱ言うわ」
「俺ね、22歳じゃないの」
「年は止まってるし、あっちの世界でスラム街って呼ばれる貧民街で育った」
「・・・見栄張って、エデンで都市警備隊してるなんて言ってるけど」
「数年前相棒だった存在も引退して、最近は仕事して倒れそうになっても寝ないで好きなゲームして、・・こうして体調崩してその繰り返し」
俺は、顔がいいとか、性格がいいとか面白いとか
Aさんは褒めてくれるけど、褒めて貰えるような人じゃない。
「俺は、日本に来た時なんて平和なんだろうって思った。俺の当たり前が当たり前じゃなかった」
「腐った食べ物も、ボロボロな家も、濁った水も、無い」
「初めて好きな人が出来て、感情が止まらなくて、でもスラム街出身の俺が好きになったら不幸にしちゃうって思って、隠し通さなきゃ好きになって貰えないって」
「でも、俺嘘つくこと出来ないし・・・ごめん、なさい」
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。どろ(プロフ) - とさかさん» とさか様、コメントありがとうございます!ちょっとメンヘラ意識してたので気づいて頂けて嬉しいです…!応援ありがとうございます! (3月13日 11時) (レス) id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
とさか - とってもおもしろいです‼ちょっとメンヘラな所、最高です。 更新楽しみに待っています! (3月11日 18時) (レス) @page22 id: 7dfc9e770a (このIDを非表示/違反報告)
。どろ(プロフ) - ひかりさん» ひかり様、コメントありがとうございます!これからも更新頑張っていきます! (2月15日 0時) (レス) @page17 id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 素敵です!!続き楽しみにしてます! (2月12日 18時) (レス) @page16 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
。どろ(プロフ) - こあらさん» こあら様、コメントありがとうございます!そして気づいてくださりありがとうございます。誤字脱字にあまり気づかず・・・こあら様が教えて下さり助かりました!応援ありがとうございます! (2月7日 7時) (レス) id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。どろ | 作成日時:2024年1月28日 19時