貴方の専属「圧倒的モブ顔店員」です。 【2j3j】

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1週間ぶりに ここに来た彼は



綺麗な顔は傷だらけ

腰付近にはべったりと赤黒い血

本人はフラフラで呼吸が乱れている


こちらに真っ直ぐ歩けない様子は随分と重症の様だ。



先程悲鳴を上げていた男性のお客様は

店長のフォローにより落ち着いた様子。

救急車を呼ぼうとしたが、本人に止められて

店長と彼はイートインスペースで話をする事になった。




新人ちゃんが私の隣で不安そうに手を組んでいるが

来なくなっても、来ても不安にさせるなんて罪な男である。

先程の男性のお客様もそうだ、

平和な日本人は血なんて見慣れてない

精々 怪我して切ったとか、ちょっとやらかして血が出た 程度だ。

腰にべったり血が付着して、顔は傷だらけ

そんなの 私だって初めて見た


貴方は、それが普通なんだろうか。





･






数分後、店長は彼を連れてレジ付近まで来て

丁度良かった！と言い 私を呼び止めた。



店長「国行ちゃん。あと30分で上がりでしょ？申し訳ないんだけど彼を家まで送ってくれないかな？」




「ｯえ゛！？そんな、いいっすよ」




お願い！と手を合わせる店長の横で首を横に振るローレンさん、

先程の様子とは打って変わって随分ケロッとしているローレンさんに拍子抜けし言葉が出なかった。


さっきまでフラフラしていた体も

今では真っ直ぐ立っていて 元気とまではいかないが重症ではない感じだ。





『まず聞きたいのですが･･･ローレンさんは何故こうなったのですか？』




店長「実はエデンの方で色々あったみたいで、大怪我しちゃって今は高熱らしいんだ〜」




『その血は、ローレンさんの？』





店長「ううん、返り血だって」





そうですか･･･と呟き、3人の中で沈黙が流れる。



ずっと俯いているローレンさんはチラチラとこちらの様子を伺っているようだ。

別に怒らないし、顔色を伺わなくてもいいのに。





『わかりました、送っていきます。ついでに看病も』




「え！？そんな、ただ38度あるだけで･･･」




『38度はただではありません』





そんな、熱なんて しょっちゅうよ？と言う彼の顔は真っ赤っかだ

38度で平気？しょっちゅう？看病がいらない？



『･･･貴方が平気でも、私が平気じゃないんです。
こういう時くらい他人に甘えとけばいいんですよ』




「そーいうもん･･･？」




『そういうものです』




そうキッパリ伝えると

ローレンさんは一人で納得して

ゆっくりと頷いていた。

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