貴方の専属「圧倒的モブ顔店員」です。 【2j3j】

１８% ページ20

ローレンさんが来ない、寂しいね

そう店長と話したのが金曜日



そして忙しい土日も通り過ぎ、

ついに月曜日になってしまったのだが･･･





店長「何かあったのかなぁ･･･」



新人「赤髪さん、いつも来て下さるのに〜･･･」




しょぼん、と顔を俯かせる店長と新人ちゃんを横にホットスナックを揚げているが

確かに来ていない、1週間丸々来ない日なんて初めてだ。






最近入ってきた新人ちゃん含め、ここの従業員のモチベになっていた彼の姿が見れないだけで

まるで天気が一気に晴から雨になった様に気分が下がる。



気分が乗らないのか、のっそりとレジ周辺の掃除を始める新人ちゃんは

「あ！」と思いついたように明るい声を出し私の方を向いた。





新人「そうだ、国行さん！彼とご連絡は取っているんですか？」




『････、その』




新人「はい！！」




『既読が付かないんです』





先日から安否確認の為に色々送っているのだが、全く既読がつかない。



既読が付かないことは不安だが

普段異世界にいる彼は

日本専用スマホというものをあちらの世界で使えないのでは？と考えると

どうすることも出来ないし、このまま放置する方がいいのでは無いかと思った。





新人「そうなんですね･･･でも明後日になれば国行さんと会えると考えると安心かも！」




ホッとしたように息を吐いて仕事を再開する新人ちゃんの目の前にお客様が来たようで素早くレジに入った。

テキパキしてレジを捌く新人ちゃんは

安心したように仕事に取り掛かっている。



私は、相変わらずモヤモヤしたままだ。

友達と連絡を取ることも稀だし

家族とは家に帰れば喋れるから滅多に連絡を取らない。

こんな、既読がつかない事に不安になるなんて思いもしなかった。

今まで彼が話しかけてくれたLIN3トークも

現在の彼はピタリとも返してくれない。





『店長、』




店長「んー？」




『明後日、会えなかったらどうしようと思うと･･･不安ですね』




店長は目を見開いたあと、


でしょ〜？と緩く笑った。







･






その後もレジに入ったり、いつもの仕事をこなしていると

入口の扉の方から「ﾋｯ」とお客様から悲鳴が漏れた。

急いで入口に向かって確認すると




「ｧ゛、は･･･ｯﾊ･･ぁ？Aさん？」




全身傷だらけで、細い腰付近にはべったりと赤黒い血が着いている


呼吸の乱れたローレンさんが立っていた。

１９%→←１７%

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す