月島くんの日常【2】

待ち合わせ ページ11

.







Aは支度が長い。






だから僕は毎回出かけるときは家に迎えに行く。





これならたとえ時間がかかったとしても僕も家でゆっくりしていられるわけだから関係ない。





時刻は10:45。




さて、キミは何分遅刻してくるだろうか。





時間通りに来るだなんて思ってない。




にしても後15分…少し早くきすぎたかな。




どうせ向こうは遅刻して来るわけだからちょっと遅めにくればよかった。






母さんがAの家に電話したときバタバタ支度をしているって言ってたっけ…。






どんな服装で来るんだろ…髪型は何か変えて来るのかな…ぁあ…早くこないかなぁ。





『蛍くん？おーい、蛍くん！』




……………………っ、





「わっ、えっ……A??」






危な…ヘッドホン落とすとこだった……。






『どーしたの？ぼーっとして…』






「いや、急に現れるから」






『急にって…さっきからずっと声かけてたんだよ？』





嘘でしょ…時計を見ると10:57。





「えっ、早くない？」





『えー？待ち合わせ11時だよ？』






そーだけど……なんか当たり前じゃんって顔されて少し腹立つんですけど。






いつもは予定より15分くらい遅れて家出ることになるくせに…早めにきておいてよかった。







ってゆうか…改めてAを見たらいつもは二つに括られている髪が降りていて毛先がくるんと巻かれている。





淡いワンピースにカーディガンと麦わら帽子を被ったいかにも夏！って感じの服装。




『へへっ、どーお？？』




なんで一回転したの？






……いや、可愛いけどさ……





そんなワクワクした顔されても……






そんな顔されたら…ね…。







「……カブトムシでも取りに行くの？麦わら帽子にその斜め掛けのカバンとか…虫かごに見えるよ」








『はぁ？？行き先は水族館です。残念ながら虫はいません。ので、虫取りはしないです。ちなみにこれカンカン帽だから！！！』







まったくって言いながら切符売り場へ行ってしまった。






カンカン帽…確かそんな名前だった。






去年も怒られた気がする。






にしても案外普通の反応だったな。






少しつまらない。






.

2→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す