アイタタタ【usss】 (ページ18)

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彼はただそう発しただけなのに、

まだ緑の男の影がフラッシュバックして体が固まる

「蓮…？誰見てんの、こっち向いてや」

『っ坂田さんは、私の何処が好きなんですか』

「ど、したん急に」

いきなり声をあげた私に驚いたのか

差し出した手を一瞬怯ませる

「不安になったん…？もしかしてうらたさん？なぁ誰に言われたん？俺は蓮の全てがすき、ほんとーなら今すぐにでも抱いてこれでもかって程に愛してやりたいけど…ねぇ、何で泣いてるん？」

再び彼は手を差し伸べ、私の頬を撫でる

彼の表情はいまいち読めないと言うか何故涙が止まらないのか

「さかたー！！！ってあ、やぁっとみつけた♡ 」

『ぁ、あの、と、きの、』

「うるっっさいなぁセンラ！なんやねん！！」

目が覚めたとき、椅子を直してくれた人

兼首を締めてきた張本人であり、恐怖心が湧き上がる

「要件はなんや」

「まぁそう急かさんといて？って言っても俺が要件あるのはこの子なんやけどっ」

『きゃっ！！？』

瞬きをした間に、いつの間にか目の前にいた彼

その男にも尻尾は付いていて形はフルール・ド・リスを示す

「いくらセンラでも蓮はあげられへんよ、触らんとって」

「へぇ…さっきまでお前のせいで泣いてたんちゃうん？可哀想ですわ〜〜僕やったら絶対泣かせたりせんのに、なぁ？」

どの口が、とも言おうとしたが自分の首がぶっ飛びそうなので言わない

彼は私の手をぎゅっと握り

「離れんとって」

坂田さんの手が触れる寸前で、景色が変わる

さっきまで部屋の中だったのに…ここは…？

「ようこそ、獣人の世界へ…なんつって笑」

『じゅう、じん…？私が元居た世界は、何処なの？』

「まだ聞いてなかったん？蓮はあっちの世界から…えーとニホン？から連れてこられたんよ、…俺らの手によってね」

手袋を付けながら、私に寄ってくる男

緑の男…うらたさんよりも坂田さんよりも身長が高い

「まぁまずはー…服でも買いに行こ？あなたにぴったりなの、見つけたる」

彼は、無理矢理手を繋ぐ訳でもなく

前のように圧をかけてくる事もなく、私の前を進み出す

「あ、その前にー…今だけこれ着とって、直ぐ食われんようにっ」

ばさ、っと被せられた布は人間とバレない用

…すこしは、信じてもいいのかもしれない