第6話 こどものころのはなし ページ8
これは後から知った事だが、蓮君は私の２つ下だったらしい。
あの後からも彼と私の友好関係は続いていて、いつしか私にとって実の弟の様な、なくてはならない、かけがえのない存在になっていた。
あの時蓮君に絆創膏の代わりだと言って使ったハンカチは血が滲んでしまったのが落ちなくて返すに返せなくなってしまった。
蓮君はそんなのいいよって言ってくれたけど、私は何かを返さないと気が済まないと思っていた。
お父さんやお母さんに貰ったお小遣いを少しずつ貯めて、蓮君に新しいハンカチをプレゼントする事にした。
ちゃんとした友達すらろくにいなかった私はプレゼントという物を家族以外、ましてや男の子になんて渡した事がなくて女の子寄りなデザインの高いハンカチを買ってしまった。
もしかしたら いらない。と返されてしまうとも、とドキドキしてしまったけれど優しい彼がそんな事言うはずもなく、ありがとう！嬉しい！と喜んで受け取ってくれた。
しかし、そのハンカチが原因でまた彼がいじめられる要素になるだなんて思いもしなかった。
それは、彼がそのハンカチを学校に持っていった時のこと……。
蓮君が洗った手を拭く際にそのハンカチを使う所を見ていたいつものいじめのメンバーの1人がそれを目撃した事を他のメンバーの子に話してその日の帰りに起こった。
下校のチャイムが鳴り、校門を出ていつもの帰り道を歩いていると蓮君の後ろ姿が見えた。
途中まで一緒に帰りたくて声を掛けようとすると、おい、蓮！と声をあげて複数の男の子が蓮君の近くに寄ってきた。
もしかしなくても蓮君の言っていたいじめっ子の奴らかもしれない。
彼らの1人が蓮君の肩に腕を回し、周りの子らもそれを見ながら何が話をしている。
すると突然、肩を回していた子が蓮君を突き飛ばして彼を地面に押さえつける。
その間に、とでもいうようにもう1人の子が蓮君のポケットの中を漁る。
そして中から白い布の様なものを取り出すと、地面に叩きつけて靴で踏みつけた。
「やめてよっ‼」
蓮君の悲痛な声が響く。
同じ学校帰りの子らはそれを見ても何もないかの様に、寧ろ、関わりたくないというかのように彼らを避けて行った。
私は信じられなかった。
どうしてこんなに優しい彼を酷い目に遭わせられるの？
どうしてこんなに優しい彼を助けず、何もないかの様にしていられるの？
私は彼の、蓮君の元に駆け出して行った。
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癒 - 続きが気になります！更新楽しみに待ってます。 (2018年4月26日 7時) (
レス) id: 81efe12913 (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - さよこさん≫わざと蓮にしたのもあるのですが、分岐点で"漣"に変更するのを忘れていました汗 ご指摘ありがとうございます！順次直していきます。 (2018年4月10日 0時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
さよこ - 蓮って、漢字間違えてませんか？それともわざとでしょうか？ (2018年4月9日 22時) (レス) id: 33beb3236a (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - 美紀さん≫コメントありがとうございます！E-girlsほんと格好いいですよね(*´ω`*)ご期待に添えられる様に頑張ります！ (2018年3月31日 11時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - E-girls大好きなのでこのドラマお姉ちゃんとみてましたなのでこの小説最高です (2018年3月29日 12時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かたあげ | 作成日時：2018年3月20日 22時
