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第5話 こどものころのはなし ページ7

「理由を聞いてもいいかな……?」




その後、空がオレンジ色に染まるまで色んな事を話した。
どうして1人でこんな所にいたのか、
どうして彼にも1人でいたいと思う時があるのか、


私達は互いの複雑な環境の中にいる事を理解した。


彼の両親や実の父の事、彼がクラスの子からいじめを受けている事も……。


私よりも彼の方がもっと過酷な状況下にいると私は思った。


それでも、大した事はないよ。と笑ってみせる彼が心配になってしまった。


私よりも過酷な状況の中で見ず知らずの赤の他人の為に何かしてあげたいと思う親切心に、彼は本当に心優しい子なんだと分かった。


そして、私は彼を、蓮君を守ってあげたい。


そう思った。


『……ねぇ。また明日ここで会えない……?』


恐る恐る聞いてみる。


「勿論だよ!僕もまたAちゃんと話したい!」


笑顔でそう答えてくれた。


『ふふ…。嬉しい。そんな事言ってくれると思わなかった。』


こんな気持ちは初めてだった。

嬉しい気持ちを抑えきれずに泣きそうになる。


「わわっ!泣かないで!ごめん、僕何かしたかな⁈」


慌てふためく彼が面白くって泣き笑いの様になってしまった。


『違うの、ありがとう。』

「良かった……!僕こそ、ありがとう。」


ホッとした様子でそう言うと、2人は目を合わせて笑った。




そうしていると、遠くから私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。


2つの影は近くなり、やがてその姿ははっきりと見えた。

それは紛れもなく、私のお父さんとお母さんで私の事をずっと探し回っていたのか息切れをした様子で私と蓮君の前で立ち止まり息を整えていた。


すると先程話していた事を思い出して空気を読んだ蓮君はお父さんとお母さんに目を合わせると、ぺこり、と頭を下げてから私に手を振って走り去っていった。




「…………A。」


お父さんが私の名前を呼ぶ。
するとお母さんが私の目の前でしゃがみ、私は暖かい温もりに包み込まれた。

お母さんに抱きしめられている。と気づいた時には、私の瞳から勝手に涙が溢れ落ちていた。


「A、ごめんね……。」


更に強く抱きしめられる。
その後ろからお父さんも私を抱きしめた。


その温もりを感じながらこれが私達家族の愛の形なんだと再確認して
また辛い事もあるかもしれないけれど、頑張っていこう。

そう覚悟を決めた。



それに、また蓮君に会えると思ったら何があっても大丈夫な気がした。

第6話 こどものころのはなし→←第4話 こどものころのはなし



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- 続きが気になります!更新楽しみに待ってます。 (2018年4月26日 7時) (レス) id: 81efe12913 (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - さよこさん≫わざと蓮にしたのもあるのですが、分岐点で"漣"に変更するのを忘れていました汗 ご指摘ありがとうございます!順次直していきます。 (2018年4月10日 0時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
さよこ - 蓮って、漢字間違えてませんか?それともわざとでしょうか? (2018年4月9日 22時) (レス) id: 33beb3236a (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - 美紀さん≫コメントありがとうございます!E-girlsほんと格好いいですよね(*´ω`*)ご期待に添えられる様に頑張ります! (2018年3月31日 11時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - E-girls大好きなのでこのドラマお姉ちゃんとみてましたなのでこの小説最高です (2018年3月29日 12時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かたあげ | 作成日時:2018年3月20日 22時

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