第2話 こどものころのはなし ページ4
『 ………… 漣……？』
急ぐ人々の足音や雑音が私の周りだけを切り取られた様な静けさだった。
私の声に反応してゆっくりと振り返る。
彼がこっちを振り返りきるまでの時間がスローモーションのように感じた。
「何で……。」
目を見開き、驚いた表情で呟く。
やっぱり漣だった。
あの時とかわりようのない。
でも1つだけ違うとすれば、あの時はすごく泣きそうな顔をしていたというところだ。
ずっと会いたかった。
離れていても漣の事を忘れた時なんて一度もなかった。
でもきっと漣は私が漣の事を捨てたんだと思っているだろう。
捨てた訳じゃない。そんな事出来るはずがない。
だって彼は私が守らないと。
私が支えてあげないと。
私がいないと。
生きていけないのだから。
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むかしのはなし。
幼い頃から私は母から厳しい指導を受けていた。
それはきっと母の生い立ちなどが関係しているのだろう。
食事のマナーから習い事は勿論、学校の成績は常に学年でトップであれ、と教育を受けた。
だからそんな母は私のミスを許しはしなかった。
そんな事をした日には母からの愛情という名の張り手が私の頬に赤い跡を残した。
その一方で、父は私にすごく優しかった。
母の教育の仕方には反対していたし、私に手を振り上げた時に庇うこともあった。
ただ、父は母の家系が優秀なだけにあまり強く出る事はできなくて、宥めるのが精一杯だった。
それに、父は父で母を本当に愛していたし、本当に家族3人のままでいたかったんだろうと思う。
私もそんな父の思いを受け止めて、これが母からの愛情だと、九条 瑠璃子の母親としての精一杯の愛情を九条 Aへと注いでくれているのだと、そう思う事にした。
どんなに嫌になってもこのままの家族でいるには、と言い聞かせるようにしていた。
だけど、それでも苦しくて、我慢出来なくて、押し潰されそうで、逃げ出してしまった日もあった。
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癒 - 続きが気になります！更新楽しみに待ってます。 (2018年4月26日 7時) (
レス) id: 81efe12913 (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - さよこさん≫わざと蓮にしたのもあるのですが、分岐点で"漣"に変更するのを忘れていました汗 ご指摘ありがとうございます！順次直していきます。 (2018年4月10日 0時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
さよこ - 蓮って、漢字間違えてませんか？それともわざとでしょうか？ (2018年4月9日 22時) (レス) id: 33beb3236a (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - 美紀さん≫コメントありがとうございます！E-girlsほんと格好いいですよね(*´ω`*)ご期待に添えられる様に頑張ります！ (2018年3月31日 11時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - E-girls大好きなのでこのドラマお姉ちゃんとみてましたなのでこの小説最高です (2018年3月29日 12時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かたあげ | 作成日時：2018年3月20日 22時
